Eri Koo Blog

元気があればなんでもできる学習帳

漫画家になりたかったのでした その2

30歳まで漫画家を目指していた話の続きです。
そう、漫画賞に応募して賞を取ったという小さな自信は、死ぬほどぶるってしまう「出版社へ作品を持ち込む」という行動に出る勇気を与えてくれたのです。

こんにちは。
eri koo - エリ・クゥ です。

漫画家を目指していない方には想像がつきにくいかもしれませんが、出版社へ作品を持ち込むという行為は、自分の作った何かをプロの目にさらして評価される・しかも自分の目の前で、という事を意味します。
何かを一生懸命にした方なら、状況は違えど想像がつくかもしれません。
スポーツならばプロの目の前でプレイして評価されること。
料理人ならばプロに食べてもらって評価されること。

もしくは、そういう状況がない人であれば・・・ちゃんと好きな人に告白してイェスかノーをもらうこと!
え?ちょっと違うって?
いえ、違いません。
天国か地獄か、くらいの感じです。
その評価(返事)に一生をかけてる感じ。

まぁ何が言いたいかってそれくらい勇気がいる行為あんです。
ましてや漫画描いてるような人間っていうのはですね、繊細ですからね。傷つきやすいのでね。

それでもやっぱり、ちゃんと目の前でダメなところもイイところも教えて欲しかった。プロの意見を聞きたかったのです。

アポを取って東京まで行って。
ふるえながら訪問して。
近くのオシャレなカフェにて早速原稿拝見です。
読まれている間、死にそうでした。窓から空が見えていて、雲が流れてるのとか今でも思い出せました(書きながら気づいた)。
さぁ、編集者さんが読み終わりました。
いよいよ地獄の審判です。
全力で傷つかないように身構えるわたし。

編集者さん「おもしろいじゃないですかー!」

えーーーーー!!
全身の臨戦態勢が脱力して、この世の春、天国かよ!と思いました。
まさかそんな言葉をもられるなんて夢にも思ってなくて。本当に本当に思ってなかったんです。もちろん、もしかしたら箸くらいにはひっかかる可能性だってないわけじゃない、くらいの微々たる期待はありました。けど。
「こんなへったくそでよく持ち込みしましたね!」
くらいの言葉は覚悟してたんです。
ほんとにね、そんなダイレクトな酷いコト言われた人とかたくさんいる世界なんですよ・・・。なので、とにかくびっくりと死ぬほどうれしいのと。

もちろん下手くそなので色々ご指摘いただいたりアドバイスをもらったりして。
的確な言葉にはうなづく以外なくて。

「じゃあ頑張って手直しして、また応募してください!」

と言われて終わりました。

うれしくてうれしくて。
そのままの気持ちで全部描きなおすくらい直して。
そして応募しました。
そしたら、前よりも大きな賞をいただきました。
まとまった額の賞金もいただきました。

そして、漫画雑誌に掲載されたのです。
毎月買っていた雑誌に。
自分の漫画が。
載ってる・・・・・!

うれしいより、死ぬほど恥ずかしかったです。

ただ一人の友人にだけ、無理矢理本屋に連れて行って読んでもらって。
それ以外の誰にも伝えず、そして見せませんでした。

(余談なのですが、この後に出会って親友となる友人がいるのですがその雑誌のファンで何とわたしの作品読んでいたのです・・・運命すごい)

だって雑誌に載ると、本当に下手くそだったんです。
プロの先生の絵たちに挟まれているわたしの絵の稚拙さ。
もうちょっとマシだと思ってた・・・雑誌に載るってすごいことです。生の原稿と全然違って「商品」になってるんです。なので無意識下で「商品価値」としてどうなのかって目で見るんですよ。描いたわたしでさえ。
でも、もちろんうれしい。
けど自分にがっかりする下手さ。

あんなにも足元がふわふわしていろんな感情がごちゃ混ぜになったのは、後にも先にもあの時だけだったように思います。

そして、実のところここからが辛く険しい本当の漫画の道だったのです。
ここからこそが、その一歩目だったのです。

続きます!

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2005年個展用作品 シリーズ-世界で一番古い職業

読んでいただきありがとうございます。
残りの今日も、そして明日も、あなたに祝福アレ♪

 

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