詩004 - 真っ白いその手を赤く染めて

紺碧のかなたに星3つ

一つは彼方
一つはアネモネ
一つは流星

銀河を流れる流星たちよ
彦星たちよ
俺に従え

俺に従い率いられて、隊を組んで、星を渡ろう

その川は薄暗く、ドブ臭く、ズブズブと足を取られる
這いながら進まねばならない
這いながら進まねば会えない
あの人に会わねばならない

この手が、胸の奥の奥までが血に濡れて
地面の奥底まで落ちていても
それでも進まねばならない

這いつくばる大地が、血で覆い尽くされていても
進まねば、我らに希望はない

掌で土を掴む
爪の間にも土が染み込む
真っ赤な大事に爪を立てる、俺の行為を

あなたはそっと笑うだろう
ばかだと言うだろう

僕はそこでやっと、呼吸を取り戻すだろう

進んできたことを後悔するだろう
来た道をふりかえり、あまりの真っ赤な大地に
ひれ伏してしまうだろう

あなたはしゃがんで僕を見るだろう
真っ白いその手を赤く染めて
僕の髪をさわるだろう

さようなら、あなた
僕はもう行かなくちゃあいけない
あちらの方へと呼んでいるから
順番が来たよと呼ばれているから

わたしももうすぐよ、と
あなたはやさしく耳元でささやいて

僕はもう、目を閉じることにした

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