Eri Koo Blog

元気があればなんでもできる学習帳

詩005 - バーガリアンの言うことには

バーガリアンの言うことには
この世の真実はただひとつ
ひとつきり

それはそれは大昔
隕石が地球に衝突した頃の話

まだまだ恐竜が跋扈してた頃の話

植物もそれぞれがもっともっと大きかった頃の話

その石は言った
「その木になれ」と
「その実になれ」と

たいがいは、その木になれた、その実になれた

でもそうなれないものもいた

そうなれないものはどうしたか
ただ星ひとつになった
それぞれが、ただ星とひとつになった

そうして眠りについた

幾年も幾何千年光年も、そのままの眠りが続いた

何層にも大事が重なり
地球はそのように変化し続けた

突如、花が咲いた
大きく真っ赤な花がひとつ咲いた

人々はそれを見た
見たけれど、どうにもしなかった
無視をした
どうにもできなかったのだ

それは人々の理解を超えていた
それが何を指し示しているのか誰にもわからなかった

ただ一人、ヒマラヤの奥底に住む若者だけがその意味を知る

けれど若者も何もしなかった
何も出来なかった
ただ見ているだけだった

けれどそれで充分だった
花にとっては、その若者に見られているだけで充分だったのだ

世界はそれで変化した

世界には色があふれ始めた
色んな色だった
紫だってあった
黄色も飛び交っていた

青い絨毯にビロードの黒が重ねられていた

その上をピンクのシルクのスカートがシャリシャリと音を立て
通り過ぎていった

アルファベットが踊っていた
きいろにみどりにももいろに
ポンポンと飛び跳ねて、たくさんの単語を並べた

言葉が生まれた
言葉を使い始めた

人々は上に登った
上に登りたがった
空にてっぺんに触りたがった
落ちてさえ、触りたがった
雷を落とされてさえ、触りたがった

それを宙は気に入らなかった
イヤがった
あるいは、踵を返した
どこかへ去ってしまった

遠く、もう見えないところへ

気づかなかった
それに気づいたものは誰もいなかった

ただ混沌だけがそこに残った

ある日地面が揺れ始めて、地殻変動が起こった
人も揺れた
街も揺れた
波も揺れて山も揺れた

ありとあらゆるものが倒れて消えた

煙だけが底に残った
煙は高く高く登って天に届いた

そこでやっと宙は戻ることにした
見届けることにした

手を差し伸べることもした
気づいたものだけが、その手を取れることになった

よーく見ていたものだけが、その手に気づくことが出来た
宙を?
いえ、あなた自身を

よーく見ていたものだけが
その手を取れた

その手はふわりとやわらかく
あたたかみを帯びていた

この世の理を知っているかい?
それは唯ひとつ
たったひとつだけ

 

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