Eri Koo Blog

元気があればなんでもできる学習帳

HSP/HSSについての考察 10 - HSPとADHD

4年ぶりの2月29日、今年はうるう年ですね。

さて、HSPシリーズです。
今回はHSPについて、ADHDと絡めて身体的、生物学的なお話をしていきたいと思います。

こんにちは。
Eri Koo (エリ・クゥ) です。

HSPはとっても敏感です。
光や音、痛みや嗅覚に味覚に対してとっても繊細に敏感に反応します。でも、決して五感が発達してるわけではないのです。
(もちろん発達しているHSPもいますが、それとHSPとの関連性はありません)

HSPは)五感が発達してるわけではありません。そういう人もいるが、脳が情報を徹底的に処理するところに特徴がある。反射(脊髄神経を介して起こる反応)のスピードが速く、痛みや刺激を受けやすいため、薬にもすぐ反応する。
免疫システムも敏感でアレルギー反応が出やすい傾向があります
体全体であらゆる出来事を敏感に感じ取っている
(エレイン・N・アーロン『ひといちばい敏感な子』より、以下引用文同じ)

そうなんです「感覚の敏感さ」ではなく、それを受け取った後に起こる身体的な「反射のスピードの速さ」と「脳の情報処理の深さ」に特徴があるのです。

なので、前回「敏感さ」と「臆病」は違うというお話をしましたが。 

erikoo.hatenadiary.jp

 この「反射のスピードの速さ」と「脳の情報処理の深さ」という特徴によって、HSPは案外と新しい環境に順応していく能力に長けているのです。

HSPは自分の文化で育った人にとって難しいと感じる作業をした時に、ふだんより多くの労力を使うがHSPは特別な労力を使わない。「本質」を見ているからである。
HSPは精巧な認知処理をしているだけでなく脳の「島」と呼ばれる部位が活発に動いている。
自分の内外で起こっている全てに人一倍気が付き処理する人は、精神的にかなりの負荷がかかり、それ故に体も人より早く疲労を感じる。
※「島」とは
その時々の内面状態や感情、身体の位置、外部の出来事といった情報を統合して現状を認識する脳の部位。「意識の座」と呼ばれることもある。

つまり、新しい物事の「本質」を即座につかみ、それをすることが平気で順応しやすいということ。けれどその分、たくさん脳を使っていて疲れやすいんですね。脳ももちろん身体の一部ですから。

さらにHSPの脳についてもう一つ。

ミラーニューロンとは25年前(2020年時点)に発見された神経細胞
他の人が何かをしたり感じたりしているのを見ると、このニューロンが発火し、あたかも自分が同じことをしている、感じているかのようになるのです。
HSPで特に活発に働くことが認められた脳の部位と協働して、他人の意思や気持ちを深く汲み取る手助けと成ることがわかった。

つまり脳の中の「島」という「意識」を司るともされる部位と、他人の行動や感情を認識すると発火する「ニューロン」という神経細胞がめっちゃ動いてると。
それによって他人の行動や感情を、自分に起こったかのように「敏感」に感じ取る、もしくは体験したような感覚になるということです。
ある意味「超共感力」とも言えるのかもしれませんね。

そして、HSPは「特性」であり、何かの病気だったり疾患ではありません。

HSCは病気ではない。
ハーバード大学のジェローム・ケイガン教授によると「鋭く反応する幼児」の90%は大人になって慢性的なストレスや不安を抱えていない。
(HSC=HSPの子ども/Highly Sensitive Child)

ちなみ混同されやすい「自閉症」と「アスペルガー」は疾患であるとされ、前者は1万人に2~4人で4分の3が男児、後者は500人に1人で男児が女児に比べて5倍。

そしてHSP(HSC)と対極にあるような「注意欠如・多動症ADHD)」も疾患とされていますが、多くは正常な範囲の「特性」であり、敏感性と同様、誤解されているのではないかということが大きな議論になっています。
現にシリコンバレーのIT系に見られる億万長者にはこの特性を持つ人が多く、社会を大きく前進させ牽引しています。
「特性」か「疾患」であるかは社会的な背景や、製薬会社の意図なども考慮して冷静に判断していかなければなりません。

ADHDHSPはよく対比の対象としても上げられます。
ADHDは左脳の血流が活発で、HSCは右脳が活発なんだそう。
一般的に左脳は言語や計算力・論理的思考を司る脳で、右脳はイメージ力や記憶力、想像力やひらめきを司る脳です。
ADHDシリコンバレーの億万長者に多く、HSPが芸術家やセラピストに多いというのも納得ですよね。

最後に。

人一倍敏感であるという性質は「主に」遺伝子で決まるるのです。

つまりは、HSPは生まれ持った「性質」なのです。
遺伝子は環境で変化するとも言われますが、生きている間に大変化を起こすものではありません。

この性質は人だけでなく他の種でも見られることからも障害や問題、弱点ではない。
ただ、少数派ではある。
些細なことに気づいたり、世界の仕組みや情報を深く処理すること、今の状況とコレまでに経験してきた似た状況を比較することは、その量力に見合う価値があることもあればないこともある。
神経系を酷使する場合、時間の無駄に成ることもある。追い詰められた状況で一人の敏感な人間が突破口を見出すことがある。
だから少数派ではあるがその種が生き残るのに必要な気質である。

HSPは生まれ持ったもので、生物として必要な気質なのだとアーロン博士は言います。
わたしも確かにそう思います。
生まれ出て、必要でない存在などいません。

けれど「今の」「社会の」「環境の」というあくまでも限定的な状況下で、まるで「不必要な人間」のように貶められて生きづらさを感じる人だって少なくはないでしょう。
でも、そうじゃないんだよと、何回でも言っていきたいです。

今回は引用をたくさん使ったのでいつもより長文になりました。

読んでいただきありがとうございます☆祝福アレ♪

 

ひといちばい敏感な子
ひといちばい敏感な子
posted with amazlet at 20.02.19
エレイン・N・アーロン
1万年堂出版
売り上げランキング: 1,995

--- 個人レッスン受付中 ---

【Link Dance Meditation】
身体作りに特化した舞のボディワーク
【空舞(くぅまい)】
ご自分の「舞」を創っていくことに特化したレッスン
それぞれ、もしくは複合型の個人レッスンを受け付けています。
場所は扇町駅から2分、JR天満駅から5分のスタジオになります。
内容は個人個人のご要望と適正でカスタムメイドしますので、お気軽にお問い合わせ下さい♪

[eri koo] - CONTACT

 

--- コラボ・ワークショップ開催受付中 ---

ミュージシャンやヘルスケア従事者、飲食店等さまざまな方たちとコラボレーションが可能です。
上記のContactページまでご連絡下さい☆

---
eri koo(エリ・クゥ)
Website
https://erikoo.themedia.jp/
Instagram
https://www.instagram.com/eri.koo.dance/
Twitter
https://twitter.com/kyryu69
【LINEでBlog更新を通知します♪】
※登録者情報はわたしに知らされませんので、 お気軽にどうぞ!

友だち追加

--- オリジナル小説発売中 ---

りゅうとむすめ

りゅうとむすめ

  • 作者:Eri Koo
  • 発売日: 2020/04/04
  • メディア: Kindle版