Eri Koo Blog

元気があればなんでもできる学習帳

バリ島奇譚4 - 神様に捧げられた島

前回からの続き。
バリ島の一番の特色は、宗教が生活の中に溶け込んでいること。
そして、神様や精霊たち、見えないものが「いる」ことが当たり前で、疑いなく信じていることです。

こんにちは。
Eri Koo (エリ・クゥ) です。

これは元々のバリ島ならではのアニミズムや自然崇拝に、ヒンドゥーが溶け込んでのことかなと推察します。

この構図、日本とも似てますよね?
アニミズムや自然崇拝があり、それが神道によって整理され、さらに仏教が溶け込む。
為政者による戦闘と征服に利用された一神教がしたように、元々会った宗教観を一切合切捨て去って(蹂躙されて闇に葬られ)、新たな宗教で完全に上書きされるのではなく。
「自然のすべてに神が宿る」という視点の元では、自然だけでなく人間のわたしにも、そしてあなたにも神が宿っている。
だから、そもそも他者の否定もない。
そのまま理想を進めれば。
他の良き考えの宗教が入ってきたとしても、それはそれで「神」だね、と尊重し、自分の「神」もまた尊重する。本当ならば、戦争だって起きないはず。
日本神話にある、無血による国譲りの話も、神武東征も、その例にもれず。
もちろん、そんな理想通りにはいっていない人間の歴史ではありますが、
ですから、新しい宗教がやってきても、元々の宗教がなくなるではなく、内包してしまう。双方溶け込んでしまう余地があるのです。

話を戻すと、そんなどこか似ている日本より、バリ島はもっと素朴なままに、それら「見えない」ものを信じています。
(バリ島に懐かしさを覚える日本人はとても多いです)

伝統的な家では、朝も昼も晩も家の中にある神棚や祠やにお香と「チャナン」という供物をお供えをします。
(チャナンはその中にヒンドゥー3大神の火(ブラフマ)水(ウィスヌ)風(シバ)を現す「ポロサン」というものが入っていたり、それぞれのアイテムを探ると説明しきれないくらい奥深いです)
大きな家では、その祠が敷地内にたくさんあったりもします。
結構たいへんな作業です。
それが、家々にあるし、道にもあるし、ビーチにも、商業施設にも、ホテルにも、もちろん寺院もそこかしこにたっっっくさんあるので、そこらじゅうが供物とお香であふれかえっています。
前回、バリ島独特の香りの話をしましたが、街中が花から作られたお香から立ちのぼる香りでむせ返るほど程なのです。

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お供え物「チャナン」

そして、この「お供え」は、全てがそうなのです。
自分たちの生活も、音楽も、踊りも、何もかもが「神様へのお供え」。
もっと言うとバリ島そのものが、神様への供物。
なんと「BALI」という名称は、サンスクリット語の「供物」に由来すると言われているのです。
バリ島は、神様に捧げられた島なんですね。

なので、新月も満月も、他にも年がら年中お祭りだらけ。
無数の寺院でほぼ毎日何かお祭りが行われ、音楽と踊りが捧げられています。

そして、男性がお祭などで正装する時に身に着けたり、石像や祠、菩提樹などの聖なるものにかけられる「ポレン」という布があるのですが、白黒のチェックなんです。
白と黒。
なんとなくおわかりの方もいると思いますが、これって陰陽図とおなじで、二元論を現しているのです。
良きものと悪しきもの、昼と夜、太陽と月、光と闇、男と女などなど。

おもしろいことに「お供え」も神様と悪霊、両方にするんですね。
神様に喜んでもらえるよう、悪霊を怒らせぬように。
どちらも大切にする文化なのです。

日本の神様にも和魂と荒魂があります。
和する魂と荒ぶる魂は表裏一体、2つで1つ。似てますね。

こんな風に、何もかもが「神様・見えないもの」とつながっているバリ。
そして、なんか日本と通じるところがある。
知れば知るほどおもしろくてたまりませんでした。

しかしそれは、いい面ばかりでもない。
やっぱり陰陽があります。
バリ島には黒魔術、ブラックマジックが市井の人たちの間で日常的に行われています。
ブラックマジックとは?端的に言うと、人に対する呪いです。

え?

こわっ??

 

続きます……。

 

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