Eri Koo Blog

元気があればなんでもできる学習帳

イケメンの憂鬱

例えほめ言葉であっても。
人の外見を口にだすことは、無意識に相手を評価していることになる。

プライベートで、二人きりで、わたしはあなたの容姿が好ましい。
と伝えることと。
仕事上、あるいは複数の人間がいる場で、その人の外見について何か言うのは全然違う。

それが、ほめ言葉でない場合ならわかりやすい。
例えば。
取引先の相手への引継ぎ挨拶にて、旧担当者Aが新担当者Bを紹介する時に。
「こちらが新しい担当Bさんです。彼は太っているのが魅力的なんですよ」
なんて言うのはおかしいこと、と誰でもわかるだろう。
でも。
「Bさんはイケメンで女子社員にモテモテなんですよ~」
なんて言うと、一見、ほめてるのだから良いのではないか?と勘違いが起こる。
取引先相手は、別にイケメンを求めていない。モテモテとか知らねぇし、仕事できる人を寄越しやがれ。って思う。なんなら軽く嫉妬まじりで不快になるかもしれない。
Bさんは、結構仕事頑張ってきたしそれなりの実績も上げてきたつもり。なのに、紹介の第一声が外見か……と落胆する。
Aさんは、単にBさんのいいとこをほめただけ、第一声の話題作りで軽いジャブを打っただけ、のつもり。
けれど、仕事の能力とは関係のない話をすることは、言外に「こいつ、それ以外いいとこ無いですわ~」って言ってるのと同じ。

ほめ言葉による、逆ルッキズムとも言えるハラスメントはなかなかに認知されにくい。
された方も言いだしにくい。
なぜなら、ほめられているからだ。
そして無意識にそれをやっている人に、それは差別なのだよと言ってもなかなか伝わらない。

この根底には。
容姿が良しとされている人は人生で得をしているので、ちょっと意地悪してもいいかな。と考える人がいる。
それは嫉妬と羨望が混じった、好きの裏がえしな場合も多々ある。

確かに人生でちょっと得をする場面があるというのは、ルッキズムの研究での統計結果でも明らかになっている。
けれど同時に。
ちょっと得をすることと、しあわせは何の関連性もない。ということも明らかになっている。
目の前の容姿が良しとされている人は、ちょっと得をしてきたかもしれないけど、人生がしあわせだったとは限らない。

昔にも書いたけど(うまく書けなかったけど)、人から好かれること、いわゆるモテるは手放しで喜ばしいことではない。

erikoo.hatenadiary.jp

よほど鈍感で他者からの承認欲求が強い人は、一時の疑似的しあわせは感じれるかもしれないけれど、本当のしあわせではない。なので、どこかで精神が破綻する(している)。
恋愛を否定する意味ではなくて。
人を好きになるって「欲しい」を相手にぶつけることだ。
端的には「自分のものになって欲しい」という欲求。
手に入れることが難しい場合、その思いは色んな形に転換され複雑になっていく。
欲しい、欲しい、欲しい。
くれ、くれ、くれ。
それをぶつけられることは、とても重たいこと。
一人の人に求められ、自分もまた求めていたのならいい。
けどそれはほんのわずかな成功例で、そうでないことの方が多い。ましてや、いわゆるモテモテな人は、無数のそういう重たい「欲」日々ぶつけられている。拒否すると、人によっては憎しみに変わってしまったりもする。
自分は何もしてない、ただ生きているだけなのに、勝手に好かれて勝手に憎まれる。

だから、社会的に人から見て、ちょっと得をしてきたかもしれないその人は。
そのちょっと得に見合わないくらい、苦労をしてきていることが多い。
そのことを、そうでない人が想像することは難しいのかもしれない。
けど、知ったり想像できる人が増えればいいなと思う。

ほめ言葉であっても、ほめ言葉でなくても。
たとえ気の知れた仲間内だったとしても。
複数の人の前で、容姿についてなにか言うことは、その人を評価していること。
言われた方は笑っていても。
そっと傷ついたり、いやに思ったりしてるかもしれないよ。

ほめるなら、内面や行動をほめる方が誰だってずっとうれしい。
それは本当の意味での承認であり、本当のしあわせにつながるギフトだから。

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読んでいただきありがとうございます☆祝福アレ♪

 

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