Eri Koo Blog

元気があればなんでもできる学習帳

「サピエンス全史」を読みました1 - 自分の世界の小ささを知る

読んでから時間が経ったのですが、ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史」を読んだ感想を。

2011年前に刊行され、世界中に影響を与えた本です。
各界のトップやリーダーがこぞって推薦文を送るような本。
人と出会うのがそうであるように、「本」に出会い読むに至るにもそれぞれにタイミングがあるように思います。
個人的にコロナが大ブレイクする直前に読めたことはラッキーだったなと思います。
目の前で起こっていること、環境が変わっていくことを、多少なりとも俯瞰の目で見て追っていくことができたからです。
この本を読んでおいたおかげで、コロナの時期を静かに落ち着いて過ごせたと。
そして、この本を読んでいたことでNHKのハラリ氏と他二人の賢者がコロナについて語った番組を背景を持って見ることができたように思います。

erikoo.hatenadiary.jp

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そして、昨今流行っている言説の多くがこの本からの影響なのでは?と感じました。
歴史学や人類学、生物学から経済学までありとあらゆる分野を総合してサピエンスの歴史について書かれたこの本ですから、その分野の旬の学説を取り込んでいるせいもあるでしょう。
学者さんからしたら、それはハラリ氏の考えではなく学問として皆が知っていること、となるのかもしれませんが、市井の人間が知るのは難しい。
それがベストセラーとして広まったときにようやく多くの一般的な人に読まれ、生活に取り入れられていくのは自然なこと。
例えば「小麦(という生命体)が人間を家畜化したのではないか」という説などは、派生した文章や漫画や絵入りの説明まで読んだことがありました。
そんな風に、元はサピエンス全史だったのかな?という今に広がってる考えはとても多くありました。なんせ刊行から約10年経っていますからね。

本当に、無限に感想文が書けそうなくらいに、現代から見た人類史観のあらゆるポイントが詰まりまくっている本です。
上巻の最初の方は歴史のお勉強・教科書的な内容で、読書スピードもゆったりになるのですが上巻の最後くらいからハラリ氏の自説のようなものが展開され始めると、まるでサスペンスでも読んでいるかのような引き込まれ感。その勢いで下巻もさっと読んでしまいました。
読後、視界が大きく開けたようになって。
今まで漠然と「知りたい」と願っていたことがふんだんに盛り込まれていて、ものすごい満足感でした。
これらを知ろうとしたら前に上げたようにあらゆる分野の、学術的文章を読まなくてはならなくなるし、素人には読みにくいし面白くない。
けど、それらを一つにまとめてエンターテインメントのように面白く物語にして読ませてくれたのがこの本でした。これ教科書にしてほしい。

まず最初に驚いたのは、人類の全歴史のおいての近代や資本主義、あるいは自分が「常識」だと思っている事象や思想の「短さ」です。矮小さと言ってもいいかもしれない。
地球が誕生して46億年、人類が誕生して5000万年。
そのうち、狩猟時代が600万年、農耕時代が1万年、産業革命から150年。
歴史の授業でも習ったと思います。
生きていて、何度もこの数値を知ってきたはずです。
けれど、まるで一本の映画を観るように、あるいは自分でタイプトリップしたかのように、しっかりと腑に落として実感できたのは初めてでした。
自分が思い悩んでいること、周りの環境、大好きだけど窮屈に感じる日本、ステキに見える他の国々。そんな視点や自分自身が、なんてちっぽけなんだろうと。
ちっさ!みじかっ(短)!
となって、だからこそ自由になったような感覚。

▼昔の人々が自然と調和していたとよく言われるけど、本当か?

サピエンスが新天地へと移動すると、そこにいた大型生物は絶滅すると言います。
近代までサピエンスは陸地にいたので海洋生物は害を受けずにすんでいたけど、それも産業活動によって犯されていっている。
最近で言うと、モーリシャスでの重油流出でも多くの生命が危機にさらされている。
昔は、人間の数も少なかったから生態系を脅かすほどの脅威ではなかっただけで。
昔だって人類は、自然と仲良く調和していたとは言えないのではないかとハラリ氏は書きます。

続きます。

読んでいただきありがとうございます☆祝福アレ♪

 

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