Eri Koo Blog

元気があればなんでもできる学習帳

かみごと(神事)にたずさわるということ3 – 堕天使と陰陽

光が強くなればなるほどに、その影の闇は濃くなります。
夏の日陰はとても暗い。
冬はそうでもない。
目に見えて、この世の事実としてそうなっている。

見えない世界もまた、同じ仕組みみたいで。
人間の心も魂も、そしてかみや精霊や妖精もまた、同様。
神道では、一柱(ひとはしら:神さまの単位は「柱」)の神さまが和霊と荒魂の2つに分かれる。
大きな神社だと、ちゃんとそれらは別の祭殿で祀られている。
簡単に言うと、善と悪。
どのものごとにも人にもかみにも、善き面と悪い面がある。

太陽は尊く、強い。
そもそも太陽がなければ地球は存在しない。
われわれ人間の感覚で言うなら、もう完全に何も存在しないのと同じだ。
地球上の生命にとって、この世の最強の存在。
その太陽の力が増せば、日照り、その温度によって生命は息絶える。
弱まれば弱まったで、飢饉や疫病の流行によって、そして温度によって生命は駆逐される。
いとも簡単に。
太陽は、われわれを生み出し、かつ冷酷に奪い去る。

そんな風に、どんな存在も、その善き面と悪い面、陰陽を内包している。

そして、片方が極まれば、それは容易に反転する。
くっきりと壁を隔てて、その相反するもの2つが敵対し合って分離しているいるわけではない。
それは、地続きで同じものの、ある面とある面であるということ。
陰陽図はとても良く出来ていて。

f:id:kuhmai:20201107213823p:plain

白と黒はおたがいに混じり合い(勾玉:胎児のような2つの形は混じる様子を表す)、かつ、それぞれにお互いを内包している(丸い点が白には黒、黒には白がある)。
(そのことをこんな二次元の図で表せるなんて、本当に天才)

キリスト教のサタンは堕天使だ。
つまり、天使の位から、堕ちたもの。
ただ悪い存在なのだと思っていたけれど、そうではないと最近知りました。
サタンは、悪い面から人間の成長を促しているのだと言う。
例えば。
悪の道への誘いはどこにでも扉を開いている。
犯罪、ドラッグ、なにかの中毒、人を騙す、自分だけ得をする、害悪を撒き散らす。
けれど、その誘いを断ち切ること。誘惑に負けないこと。
もしくは、落ちてしまっても這いずり出ること、罪を償うこと。
それらで人間は成長する、磨かれる。
やさしさや愛を知っていく。
もちろん、堕ちたまま、の人もいる。けど、それもまた、本人にも周囲の人にも学びとなる。
そんな風に、悪へと誘うことで人間を鍛えるために、サタンは天使から堕ちたのだと。
(なんてエモい話)

古今東西、ヒーロー譚は数あれど、揃いも揃って悪い敵を倒すお話。
それは、外であり内であり、自分であり他人である悪と戦うことによって、自己の成長を遂げるという、人間誰しもが通る成長のお話。
だから、誰にでもウケる。
悪が悪で強大であるほどに、ヒーローの光は強くなる。

キリストが輝けば輝くほどに、ユダのような存在が現れる。
バリのヒンドゥー教には神さまと魔女がいて、いつもセットで敬われる。
ゴータマシッダールタは仏陀になろうと悟りを開こうとすればするほどに悪魔に誘われる。
日本の神さまには和霊と荒魂がある。

人間もまた、同じ。

自分の透明度を増そうとすればするほどに、自分の影が、闇が濃くなる。
それは、自覚して意識しておかなければならない。
わかっていれば、コントロールが出来る。
幽霊の 正体見たり 枯れ尾花
みたいなもので、正体がわかっていれば対処ができる。
無駄に不安がったり怖がったりしなくていい。
たとえそれが枯れ尾花じゃなくて、本当に幽霊や化け物だったとしても。

それは、大抵、最初は身近な人間関係の形になってやってくる。
家族、恋人、家族と同程度の人間(家族より長い時間を共に過ごし、一緒に作業をする仕事場の人とか)、時には友人。
問題が、起こる。
人と人とが濃くいる場所に、多かれ少なかれ問題が無いことはない。
一つ一つ、対処していき解決していく。
お互いの良い位置を見つけていく。
そうすると、また別の問題が、起こる。
そうやっていくうちに、鍛えられる。
最初の方はただただしんどくて、必死だった対処法も、経験と知恵、そして磨かれた精神で、笑いながら、一息つきながら対処していけるようになる。

そうやって人間は成長していく。

光を増そうと、平和で楽しくあろうとすればするほど、闇が追ってきて、そうであるように鍛えさせてくれる。
陰陽は常にワンセット。
ニコイチ。
よく出来たバディの関係。

かみごと(神事)にたずさわることに必要な資質「透明」は陰でも陽でもない。
そしてどちらでもある、完全に調和された、あるいは何もない、在り様のこと。
陰陽のバランスもとり、どちらも増していくことで、透明度は上がる。
そうして、かみと繋がりやすくなる。

続きます。

読んでいただきありがとうございます☆祝福アレ♪

 

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