Eri Koo Blog

元気があればなんでもできる学習帳

自分軸、他人軸

これはとてもお恥ずかしい話だけど、自嘲を含めて書いてみる。

四つ葉ハンターと呼べるくらいに、五つ葉とかそれ以上のクローバーをよく見つけるのだけど、まだ20代だった頃。
友だちと、その子ども(小学校に上がるか上がらないかくらいの子)と広っぱで一緒に遊んでいた。
その時も四つ葉を見つけて、その子どもも「ワーッ!すごい」ってなった。
普通。
絶対。
あげるでしょ?その子に。
なのに、わたしはそれを持って帰った。
「しあわせ」を自分のものにするために。
だってその子どもには、ちゃんと子どもを理解しようと務める母(心やさしい友だち)がいて、これからの明るい未来が待ち受けているのだ。一方自分は薄暗い地獄にずっといて、なんとかしあわせになろうと必死だった。なんでもかんでも手に入れて、なんとか這い上がりたかった。
いやもう、そんなんでしあわせになんてなれる筈がないやんか。
今ならわかる。
そこで、あたり前に子どもに四つ葉をプレゼントできる人こそがしあわせになれる。と言うより、もうその時点で既にしあわせな人だ。
たった一つの四つ葉のクローバーでさえ子どもにあげれない。良いものを自分だけのものにしようとする。そんな風に気持ちがさもしい時点でしあわせへの道は険しい。

ちなみにその時のわたしの行動にその友人は「これはエリが見つけたものだから、エリのものなんだよ」と子どもに言い聞かせていた。
非常に申し訳ない……。
セコい大人もいるんだな、大人ってなんでもくれるわけではないのだな、と反面教師にでもなってるといい。せめて。
そしてその友人が、それをどう思ったのか後に聞いたことがある気がするけど、答えは「ぜんぜん覚えてない」だった気がする。たぶん本当に覚えてないタイプ。小さなことは気にしない。だからずっと友だちでいれてるんだけど。
わたしはそのわたしの行動を、この歳になってもまだ覚えている。自分が情けなく不甲斐ない大人げない、黒歴史な負の記憶だからだ。

こないだ、別の友人の子どもに四つ葉のクローバーをプレゼントしたら、予想外にめちゃくちゃに喜ばれて、ようやくわたしはこの時の負の記憶をプラマイゼロにできた。
ありがとう、喜んでくれた子どもちゃんよ。
だからようやく、この恥ずかしいくらいちっさい罪の記憶を書けた。

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ひとりっ子のせいか、生まれ持った気質か、はたまたアーティストはそういうものだとも言ってもらえたりもしたけれど。
おそらく自分は死ぬまで自分軸でしか生きられない。

親しい友人には他人軸の人が多く、誰かが何か困ってると自分のことはほっぽって他人を優先して助けようとする。
こないだ、ポツリと困りごとをつぶやいた時、周りにいた友人達がいっせいに腰を浮かせて解決してくれようと声を揃えた。
その、即断で人のために動こうとするのにちょっと感動したのと同時に、その揃い具合に吹き出しそうになった。
なんか似た人たちが集まってるなーって。
しあわせだなーって思って。ありがたいなーと。
やさしい人たちに囲まれて、ぬくぬくの温泉みたいな心地の良さ。

それとは別で。
仕事仲間、アーティスト仲間には自分軸が多い。
自分のことはわからないけど、そりゃあそうだと思う。
俳優、絵描き、作家、映像、カメラ、建築、なんにせよ、アートもクリエイトも自分と向き合い続けなければ生まれない。
まずは自分ありき。
なによりも自分を大切にする。
そういう中にいると、楽だ。
だれもかれもが自分に集中し、何か一つを一緒に創ること、仕事を遂行するすることに徹している。他人への気づかいが少々なかったとしても誰もきにしない。
だから、自分も100%そうであれる。
同族の心地良さと言える。

自分軸と他人軸と、両極端みたいに書いたけど、別に対立してるわけでも良い悪いでもない。根源的な、世界へのアプローチの違い。これはパーセンテージじゃないからグレーゾーンはなくて、白か黒かの気質のように思う。
ついでに言うと、自己中心的と自分軸は厳密には違うのだけど同じ道の上にある過程なようだ。

他人軸の人は他人が世界の中心なので、自分がしたことに対して他人から思っていた返しがもらえないと苦しそうに見えることもある。評価とか感謝とかお礼とか好意。誰にでも好かれていたい褒められたい認められたい、が軸にある。逆説的には自己愛なのだけど、他人からのそれを必要とする。

自分軸の人は世界の中心は自分でしかないので、自分が満足して納得してればそれでいい。もちろん人の評価とか褒められだって、もらえるものなら欲しい。けどそこを優先はしない。あくまで自分の納得感が第一優先。でもこれはこれで自家中毒みたいにもなる。自分自分だけでは気がつけばひとり、だ。これも苦しい。

だから他人軸の人はもう少し自己評価を優先してみたり、自分軸の人は利他を意識したりしてバランスを取るのがいいのだろう。

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で、自分の話に戻る。
今も。先に書いた四つ葉の話のように、あまりの自分軸っぷり、いや、自己中心的な性質が情けなくて、なんとか利他的にはなろうと努力はしてる。
けれど他人軸にはなれない。
それはもう性質だ。
自分は自分にしかなれない、という意味でそこは変わらないのだと最近わかってきた。
それでも、四つ葉のクローバーを子どもにあげれるようになったくらいには、亀の歩みさながらに、ほんのわずかに利他的になれたので。
死ぬまでには今よりはちったぁマシな人間に。
ともかく飴でもみかんでもカバンに入ってる何かを人にあげようとする大阪のおばちゃんみたいに。
あるいはいつでも子どもに渡せるようにと玉ねぎ頭に飴を仕込んでる黒柳徹子みたいに。
すこしは近づけるのではないかと、長期スパンで考えている。

それこそ昔は、そういった他人軸の利他的な人に囲まれてると、居心地の良さと同時に劣等感に苛まれた。
なんで自分は自分のことしか考えられないのだろう、人にやさしくできないのだろう、と。
けど今はそう思うことがなくなった。
自分は自分にしかできないやり方で、自分ではうかがい知れない形で、世の中の役に立っているのだろう。だからこうやって今まで生かされていて、やさしい友人やすごいお仲間に恵まれているのだろう、と思えるようになれたからだ。
それはきっと。
たくさんの地獄を味わった経験で見えてきたものや、トラウマのお掃除作業や、健全な精神は健全な肉体に宿る健康体になったおかげで、ようやく「自分を受け入れる」ができたから。
受け入れると「しあわせになりたい」という欲望が「あれ?既にしあわせだったわ……」という気づきに変わる。

もうそうなると。

逆説的なんだけど、過度に自分に集中しなくなる。
必死にならなくなる。
しあわせになりたい!って力んでいたものが融けてしまう。
だから、気負わずとも戒めずとも、なんとなく人にやさしくできる(あくまで過去の自分との当社比です)。

結局、自分は自分でしかないのだから。
自分と向き合って、自分を濃くしていくしかない。
濃くなればなるほど、離れる人もいるだろうけど、さらに気の合う魅力的な人に出会えるようになっていく。もう、目に見えて。顕著に。その動きはとてもわかりやすい。
けどそれも、肩の力を抜いて、ふわりとのんびりと自然にしていくのがいいように感じる。

一つだけ、自分軸になりがち(自分軸は悪いことではないけど)ひとりっ子をかばう話をして〆としたい。
わたしは歳の離れた従兄弟たちと暮らしていたから、厳密にはひとりっ子育ちではない。
けど、一回りも離れた従兄弟はほとんど大人と言っていい。
大人に囲まれた子どもは「分ける」という作業を学ばない(学べない)。
目の前に出されたものの「一番いいやつ、一番いい部位」を全部いただいていい。例えばケーキも、なんなら全部食べてもいい。フルーツも甘い部位だけ食べていい。お肉もおかずも、自分が一人で食べきっていい。
これも恥ずかしい話なのかもだけど「ポテチとかを友だちに分ける」行為をちゃんと知ったのは、高校生くらいになってからだ。
友だちから学んだ。
自分で買ったものは自分で全部食べるのが普通だと思っていた。けど、わたし以外の友だちはみんなで分けて食べようとする。
わたし、まるでめっちゃケチな子じゃん。
そこまではわかった。
だから分けるようにはなった。
自分の分を「いる?」と聞くようにはなった。
けどたぶん。
根っこのところはあんまり変わっていない。
「この社会ではそうするものだから」と頭で学んで、円滑にいくようにそうしている節がある。だから分けるのも「いる?」もたまに聞きそびれる。

仕方ない。
お育ちのチカラは大きい。
わたしのせいじゃない。

最後は言い訳となったところで、今日はここまで。
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LOVE LETTER  

新月です。
みなさんお元気ですか?
真夏みたいな熱さのココ数日。
元気にキャンプして帰ってきたその日、なんだか猛烈な眠気に襲われて一日中寝ていました。テントで眠れなかったわけでもなく、睡眠時間はいつもの通り。
なんで?
はたと気づきました。
たぶん、軽い熱中症・脱水症状です。
木陰にいたけど炎天下の野外にずっといて。行きも帰りも日光を浴び続けるバイクで。
水分は摂っていましたが、汗をかくようになってくると今までとは違う量が必要になります。
そう言えば、テントで寝ている時にこむら返りを起こしそうになったと思い出す。
完璧にミネラル不足(=脱水症状)です。
みなさまもお気をつけください。
お茶やコーヒーやジュースは水分ではありません。スポドリは白砂糖が大量に入っていて緊急時はともかく、日常的に飲むと別の病気になります。
常温の水に少し甘く感じるくらいの「海塩」を入れて、こまめな水分補給を。

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読んでいただきありがとうございます☆祝福アレ♪

 

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