カタルーニャのバーニングマン
バーニングマンという有名でフリーダムなイベントがあるけれど、それとは直接関係がない話。
カタルーニャ地方のある海岸に、その人は住み着いていた。
バーニングマンと呼ばれていた。
経歴とかはしらないけど、いつからか住み着いて、ビーチを清掃して、遊びに来る人にホットチョコレートを振る舞ったり、簡単な食事を提供している。
猫や犬ものんびりくつろいで。
手作りだったりアンティークだったりする雑貨も、小さな海の家みたいなところに置かれてて、時には売ったり、くれたりする。
いろんな人が出入りして、話して、ちょっと飲んで、自分が使った食器は自分で洗う。
海の水で。
だから、ホットチョコレートも少し塩っ辛くて、ぜんざいと昆布みたいな感じで味わい深い。
「願い事を書いていけ」
と言われて、紙に書いた。
気がつくと、壁にはたくさんの誰かの願い事が貼ってあった。
「年に一回、燃やすんだ。みんなの願いが叶うように、このビーチで」
と彼は言った。
その時書いた願いごと、まるっきり覚えてないけど、きっとちゃんと燃やしてくれたんだろう。
勝手に好きな場所に住んで良いんだなって思った。
好きな場所に、好きな風に建物を建てて、気持ちいい風景を見て、暮らしていい。
当たり前なんだけど。
そういうことして良いんだって、ずっと同じ場所にいると忘れてしまう。
こんな、閉じ込められたような世界で、寒い季節に。
ふと、彼を思い出した。
読んでいただきありがとうございます☆祝福アレ♪
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