Eri Koo Blog

元気があればなんでもできる学習帳

詩008 - 蟹が見えたら

蟹走り
横切る
浜を横切る花を片手に

その手には幾多の花が挟まっている
ゆらゆらゆれるその花の
香りの残りがまだゆれている

波間の香りとあいまって
縮んで引かれて遡って
ゆらゆらとそこにまるで蜃気楼のように
一つの白い影となる

それはいつかの亡霊
いつかの彷徨い人
手を伸ばしてくるから掴んじゃあいけないよ

それは振り払わねばならないよ
自分の手で振りはらねばならないよ
追いかけさせちゃあならないよ

だってもうそいつは死んでいるからね

後ろ姿を見せちゃあいけないよ
隙を見せてもいけないよ

大丈夫なんだよ、もう
もう、大丈夫なんだよ

息を深くして
目をはつらつとさせていたら
そんな影など見えはしない

見えなけりゃあ、いないってことなんだ

蟹が見えたね
横に歩いているね
花を持っているね
ゆらゆらとゆれているね

夏がもう終わろうとしているよ
あの夏はもう、終わったんだよ

 

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