Eri Koo Blog

元気があればなんでもできる学習帳

子どもを残さない人

同性愛や、アセクシャルな友人たちと話しているとよく出るフレーズ。

「子どもを残せない時点で人としてはアレだからね~」

それは、単なる言葉遊びの時もあるし。
How are you?
くらいの軽さで使われていることが大半。

だからその言葉に、そんなことない!とか返すのは、なんだか野暮で。
真面目か!だし。
言われた方も、いやそんな真剣に思ってでた言葉じゃねーわ、ってなるから。

でも、ほんまに。

んなこたぁーない。

と常々思ってる。
わたしは同性愛でもアセクシャルでもないけど、この年齢まで未婚で子なしだと「人としてアレ」攻撃は相当に受けてきたから、その言葉を自ら発してしまう心持ちもよくわかる。そして、言葉遊びであれ軽い言葉であれ、どこかに悲哀の匂いかかすかにしてる。

ここ数年で一番影響を与えられた本が『サピエンス全史』なのですが、その中にも「子どもを残していかない生物にも価値がある」という記述がありました。
それはハラリ氏が同性愛者(公言している)だからなのかもしれないし、世界が誇る頭脳から導き出された答えなのかもしれない。どちらかは、わからない。
けれど、そこには同意しかない。

そもそも、自分の子ども、ひいては家族が血族だけという考え方や捉え方が、あまりにも狭い了見だと思う。
普通に異性愛の人で子どもがいる人だって、そもそもその伴侶は他人でしょ?
他人と他人が一緒になって、血が混じりあうことに価値を見るのかもしれないけれど。そこに血がつながってない子どもがいても、家族じゃない?養子だって、共に生活をして、性格や色んなものを共有して、お互いに深く影響を与え合うこと。
それが家族。

一歩引いて。
少し前までのゲノム解析では、そもそも人類は、アフリカにいる一人の女性から始まったとされていました。
現時点ではまた変わってきたようですが、そこはさて置いて。
いずれにせよ、元をたどれば一人、もしくはごく少数の人に行きつくわけです。その根源となるDNAって全員が持ってるわけですよ(ざっくり言うと)。
だからみんなほとんど似た遺伝子を持ってて、その中で77億人分の1の「自分の子ども」を残すって、ほんとに、あまりにも利己的な欲求だなって思う。
ほんとに生物学的に言いたいなら、大きく見れば人類ヒト科のその環境下において、生き延びるべき個体が生き残ればいいんですよ。一塊なんですよ、人類。
いえもちろん、自分の子を産みたいという思いそのものを否定したいんじゃないんです。
自分もまたその連綿と続く欲求の中で今に生まれてきているわけですからね。

ただひとえに、世の中に色んなセクシャリティや、身体性や、病気や、生き方があるのに、子どもを残せないという一点だけで落とされるのって変だと言いたい。

倫理的にも生物学的にも変。

見えない世界の視点まで行けば、肉体は乗り物であって。
魂は転生を繰り返して磨かれていくし、その中でつながった縁は、ある世では肉親で、ある世では会社の上司と部下かもしれない(もちろん血はつながらない)。

人って、その生き方が絶対周りにも影響を与えていて。
一人しあわせな人がいると、周りの人にもそれが伝わっていくし。
誰かが誰かを救うのだって、心を通わせるのだって、血脈だけに限られたことでは決してない。

そういう、大きい目線で見えるようになると、もっと人に優しくなれると思う。
病気で子宮を摘出した人に「女は子供を産んで一人前」(この発言は「女は産む機会」と同義語)という言葉をかけるような思いやりのなさを防げると思う。

もう、新しい時代の足音がかなり大きくなってきているから。
自分と違う人を否定することで小さな優位に気持ちよさを感じるような偽物のしあわせとか、何かが手に入ればしあわせなんだと自分に嘘をつくこととかは。
どんどん破綻して立ち行かなくなってる。

なので。
たまに「あんた、真面目でめんどくさいわね?」ってうざがられながらも、子どもを残せないことはアレじゃない!って、ちょっとづつ反論していこうと思う。

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読んでいただきありがとうございます☆祝福アレ♪

 

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