Eri Koo Blog

元気があればなんでもできる学習帳

女はモノじゃないので

今はずいぶんとマシになったけど。
昔々は、女性をクリスマスケーキになぞらえて。
24日(24歳)までに売らないと(=結婚しないと)、25日(25歳)過ぎたら売れ残り、と言われていた。
女性は買うもの、買われるもの。
どこかの国で、女性が家畜と同等とみなされ、結婚相手の夫だけでなく親族である男性の共用物とされているのと大差ない。
それはバブルの頃、たった20年前とかそんな価値観(しかし根強く残ってはいる)。

バブル絶頂期に青春を迎え、見目麗しく性格もサッパリとすてきな先輩友だち(既婚)が
「エリちゃん、高く売れるうち(=若いうち)になんで売って(結婚して)おかなかったの?」
と言った。
いや、わたし売りもんじゃないし。
わたしの人生はわたしのものだし。
そもそも生きる上で結婚することが人類の必然行為のような物言いですが、全然そうではないですよ。人それぞれですよ。
なんて、思ったけど言わなかった。
良かれと思って言ってるんだろうし、わたしの考えを伝えることは、相手を否定することと勘違いされそうなだと。うまく言える自信もなくて。

結婚に関心がないことを、誰かに理解してもらおうという気はさらさらない。単にわたしの人生解釈と好みなので、人に押しつけることもない。
ただ、ほっといてくれたらなぁ、とか、尊重してくれたら楽ちんなのになぁとは思う。
結婚してる人をどうもこうも思わない。
だって、わたしは魚屋さんになりたいわけじゃないけど、魚屋さんってどうなの?って、魚屋さんを上に見たりも下に見たりもしていない。ただただ魚屋さんがあってよかったな、いつも美味しいお魚ありがとう、と思うだけだ。
違う職業を選ぶ人がいて、自分は自分で違うことをして、適材適所でいいな、って思うだけ。

しかしある一定の人たちは、そんな風に言っても自分たちが結婚していることを否定されたように思うようで。

職業と結婚は違う。
まぁもちろん違うけど、ライフスタイルとか生きる目的をどう選ぶかという意味では同じ。

いろんな行動と選択をしてきた結果、そして年齢的なもののせいか。
わたしに「結婚もしないで人生どうするつもり?」「子どもはいいよ」「一度くらいは結婚してみれば?」なんて言う人は、めっきり少なく…ほぼいなくなった。
けど、割と数年前までは大変だった。
そういった結婚・出産・育児をしてない者への猛攻をガードするのが、本当にうんざりした。
元から婦人科系にトラブルを抱えていて、30歳の頃に子宮内膜症卵巣嚢腫になり、左の卵管と卵巣を切除した。
その頃、いろんな人に言われた。
「子ども産めば治る」「妊娠期間に生理が止まることで全部解決する」「はよ結婚して子ども産みなさい」
まだまだピュアピュアのピュアなわたし。
ほんとにそうかな?という気持ち半分、でも半分は、結婚も出産もしてないわたしが悪いんだ、だから病気になるんだ、と思ってしまったりもしてた。結婚も当たり前に、わたしはしたいんだ、と長い間思っていた。

その頃「オニババ化する女たち」という本が出て、ちょっと話題になった。
出産していない女性は、ホルモンバランスが崩れてオニババになってしまうと。昔の妖怪・オニババ(山姥)はそういう未出産女のなれの果てなのだと。
毎月排卵される卵子は未授精の場合、その卵子の悲しみから生理痛が起こると。
(中には、昔の人は生理の排泄を骨盤底筋でコントロールできたから、生理用品が必要最低限で済んだし、生理も軽かったという有益な情報もあったけど)
ともかく、女には相手は誰でもいいからセックスが必要、出産すれば解決するって本で。
いやいや、生まれ持っての体質や男性側の問題や、いろんな理由で未出産の人だっている。性のあり方も多様。なのに産んでないという一点だけでオニババになるとか、あまりにも世界が狭い。
そして出産したとしても、人生では未授精の卵子の方が多いわけで。それをいちいち「悲しい」から良くないと言われましても?全女性が閉経まで、ずっと悲しい卵子と人生を送らなければならないのか?
なんて。

そして同じころ、「負け犬の遠吠え」という本がベストセラーになった。
未婚女性を負け犬とした本。だけど、ちゃんと一冊読むとわかるのだけど、作者の意図は「負け犬じゃねーわ、独身女でも人生楽しいわ」って本。
だけど、タイトルが良くなさすぎた(いや、ワードとして良すぎた)。あまりにもセンセーショナルに「独身女性=負け犬」という認識だけが浸透した。
結果、またしてもクリスマスケーキ扱いのような風潮が再燃した。
かつ、メディアが煽って独身キャリアVS主婦の討論番組なんかも盛り上がった。いやいや家畜みたいに扱われてる女同士で戦わ「されて」どうする。奴隷を戦わせて貴族が楽しむローマのコロッセオかよ。

人一人の人生を、負け犬だとかクリスマスケーキと名称付けるいやらしさ。

あの時代は二度とぶり返さないでほしい。
そして、そんな古い価値観は完全に滅びてしまってほしい。

その後、子どもを数人産んだ友だち達が口を揃えて「出産してから生理が重くなった」「わたしも!」と盛り上がってるのを聞いていてたら。出産したら婦人科系の病気は全部解決するって言われて、ちょっと信じてモヤモヤした若き日のわたしの時間は一体……。

新しい時代はもう始まっていて。
同調圧力がどんなに強くても。
自分の意識が変わると、環境も変わって類は友を呼んで、平気で突破していったり、そもそも意図して鈍感でいたり、無関心でいれたりする。
たまに触れるそういう古い価値観の世界は、たまに飛び込んでくる異世界の出来事のように、懐かしく感じる。

古いものがどんどん壊れていっている今、そんな時代を思い出しました。

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読んでいただきありがとうございます☆祝福アレ♪

 

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