Eri Koo Blog

元気があればなんでもできる学習帳

HSP/HSSについての考察 12 - HSCと非HSPの親

HSPシリーズ、前回はこの社会とHSPの共存のコツを書きましたが、今回は「親」について。長くなりそうなので、何回かに分けます。
何と言ってもHSPの問題は「親」がキーです。
わたし的にもコレが山です。

こんにちは。
Eri Koo (エリ・クゥ) です。

タイトルのHSC(Highly Sensitive Child)はHSP(Highly Sensitive Person)の子どもバージョンです(文中はHSPで統一します)。
HSPについて最初に読んだのがずっとリンクしたり引用してるこの本なのですが、これは基本的にはHSCを持った親に向けての本です。

ひといちばい敏感な子

ひといちばい敏感な子

 


わたしはこの本を読み進めていくうちに、HSPのことがわかると同時に非HSPの親の気持ちがわかるようになりました。これは非HSPの親に育てられサバイブしてきたHSPにとって自己治癒になると思います。
HSPの親の中には自ら学びたいとする人もいるかもしれませんが、個人的感覚だと特に子どもが大きくなってしまった親だと、さらには団塊~バブル世代から上でそういう対応をする人はまれです。
HSPな親の場合は、この本に巡り合う率がかなり高いと思います。どんなに環境に恵まれてても、生きにくさを1ミリも感じたことのないHSPはいませんし、なんせ「敏感」なので自分に必要なものを発見しやすいのです。読書率も高いですし。
この本を親に読ませたい、これを読んでくれてたら…と思うこともありましたが、そんなものは後の祭りであり、お前の子育てが悪かったからコレ読んで反省しろ!っていうのは暴力です。
それならHSPの類まれな感受性をもってして、親を理解し親を包み込んで許し、そして自分の過去をも「必要な試練であった」と許して受容する方が建設的ですし、HSPならそれができます。

(大事なので繰り返し書きますが、わたしの親はいわゆる毒親で大変だったのですが、そこはもう終わった話で昇華されています。人生を親のせいにしたり恨みつらみを書きたいのではありません。こういったものを書く時にはその事実と「当事者だった」という経験も役立つので書いています。カレー作ったことない人がカレー語ってもね?という感じです。)

さて。
親の40%は自分の子ども時代に親の愛情を感じていなかったというデータがあります。
乱暴に言うと、親のうち半分は何かしらの問題を抱えているということ。そうなんです、大人になるとわかるのですが、親って普通の人間なのです。
この世に完全に問題を抱えていない人間なんていないのと同じです。

「親は子どもを育ててはいけない」
とは萩尾望都残酷な神が支配する』の中のセリフですが、このセリフこそがこの大きな矛盾世界を現しています。

そういう認識を前提に。
感情的な人っていますよね。これってメンタルが弱いんです。だって感情をコントロール出来てないから。感情というものは誰もがわく自然なものです。けれど、それを周囲に撒き散らしたり、果ては自分もそれに乗っ取られて物事がうまくいかなかったりってちょっと困りますよね。
メンタルが強い、タフというのは、どんな時にも動じない精神力をいいます。つまりは感情をコントロールできるってこと。
悲しいとかムカつくとか、わいてくるものを抑えるのではありません。出てきたそれらを一歩引いて、見て、それでいっぱいいっぱいにならないようにするのです。
まぁでも、それがおいそれと出来るようなら、社会はもっと平和で安定していることでしょう。難しいことなんです。
そして、これが一番の問題なのです。

感情的な親を持つと子どもは大変です。
大抵の場合、その感情の持っていき先は子どもになります。
どんな子どもだって親の感情をぶつけられたら、めちゃくちゃにしんどいです。けど、やっぱり「敏感過ぎる」HSPは本当にしんどいです。
相手の感情を自分のことのように受けるHSPという「気質」によって、人の何倍もの情報量で圧倒されます。ましてや小さい子にとって「親=世界」です。大変です。
さらにHSPはその共感力ゆえ、親のはけ口や甘えの対象にもなってしまいやすいんですね。兄弟姉妹がいて、そこにHSPと非HSPが混在する場合、親の叱責や怒りを受けやすいのはHSPだとも言われています。HSPは人の感情を受け止めるので、親は知らず知らずにHSPであるわが子に感情をぶつけ甘えてしまっているのです。
そこで、HSPは感情的な親と一緒に住む場合、親が招いた混乱に対処するため徹底的に感情をコントロールすることがあるそうです。
これは前にも書いた「解離」ですね。自分の気配(感情)を消して、嵐が過ぎ去るのを待つのです。

erikoo.hatenadiary.jp

感情に振り回された人に冷静な言葉をぶつけても、大概はさらに100倍になって返ってきます。ましてや言葉をうまく操れない子どもが、親を説得することなんて不可能です。だから子どもはじっと耐えるのです。

このためHSPには「冷たそう」「クール」「笑顔が乏しい」に見える人も多いと思います。でもそれは冷たく感情がないというわけではなく、その環境で生き残るために必須で習得した技術なのです。目の前で荒ぶる親の感情を、怒っているのか何を考えているのか読めなければ、子どもは死にます。
わたしもよく「愛想がない」と言われたもので、大きくうなづいたポイントでした。

本当は。
もしHSPというものに理解があるならば。
HSPを育てる時には、アーロン博士が言う「海底にすむ、光に慣れていない生物をそっとすくい上げるように、丁寧に接しましょう(笑)」が一番なのです。
強い言葉は禁物です。
HSPは愛する親に厳しいことを言われると圧倒されてしまいます。叱る時は、丁寧に何故ダメなのかを説明してあげるだけで充分なのです。
けど大抵の親はそれができません。
説明がない「とにかくだめ!」だと「やったこと」が悪いのではなく「そんなことをしてしまった自分」がとにかくダメなんだと認識します。そして、どんどこ自己肯定感は低下していきます。

先に書いたように親が荒ぶった時にも「自分が適切な言葉をかけられていたら、自分がうまくやれたら、親はあんなに怒らなかったのでは」とずっと自分を責めるんですね。それがただ単に親の機嫌が悪かった場合でも。せつないです。

でもね。
親だって人間ですからね。
完璧を求めることは出来ないんですよね。

続きます。

 

親と子の問題がかなり重い描写で描かれますが、間違いなく特定の人を治癒する力がある名作です。

残酷な神が支配する(1) (小学館文庫)

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読んでいただきありがとうございます☆祝福アレ♪

  

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