過去の自分も未来の自分も別の人

昨日の記事で前世体験を書いたのですが。
前世というものがあるかないかは置いといて。

生きている今でも、昨日の自分と今日の自分が違っていて。
身体の60兆個の細胞は日々入れ替わり、一番サイクルの遅い骨でさえ3年で入れ替わる。
生物としても、最長でも3年経てば全く新しい身体での自分であるわけです。

であるならば、過去の自分とは今と違う自分。
連続して繋がっているようでも、まるまる細胞が入れ替わった別人とも言える。

個人的に、昔の自分って自分じゃないみたいな感覚があります。
それこそ40代の今から見て、20代の時の自分なんて前世みたいな隔絶感。
当時のことを思い出せるし、記憶としてはあるけれど別人の話みたいな感じ。
それは変化したというより、全く別の自分になったと考えても良いような気がするのです。

だから、過去と今と未来の自分は別人なのだと、分けて考える。
引きずっても意味がない。だって違う人だもの。
積み重ねの上にいるのではなくて、日々、別人がこの世に誕生し続けている。
そんな風に考えてみるのも面白いかと。

福岡伸一先生の「動的平衡」でも、食べたものがエンジンのように栄養となって身体を動かしているのではなく、その食べものそのものが身体に取って代わるだと言います。
昨日と今日の身体が同じでないならば、思考だって同じであるわけがありません。
身体というものは「脳」だけで考えたり感じたりしているのではなく、全身の細胞を使っています。思考もセンサーも全ての細胞が携わり、脳はそれを統べている部位なだけ。
例え身体の一部位の細胞のみが入れ替わったとしても、それが人格に影響を与える可能性は大いにあります。
現に、輸血されたり臓器移植を受けた人が、その元の持ち主であった人の嗜好を受け継ぐ症例はたくさんあります。

諸行無常は世の常。
自分であっても、一秒一秒変化し続けている。
その新鮮さを損なわなければ、日々更新していける。

だから例え、過去の自分がキライでも、今の自分に納得がいかなくても、それはずっとじゃないのです。
必ず新しい自分がやってきます。
人が絶望的になる時というのは、辛い状況があった時、まるでそれが永続的に続くかのように感じるからです。
でも本当に、そんなことってないのです。
万物は流転することがこの世の理。
必ず、変化しています。
状況は変わります。
逆に言うと、永続的に続くことなんて存在しないのです。

こんな、ちっぽけなわたしの人生ですら、永続的に続いていることなんてありません。
どんなに地位や権力や財力があって強固そうに見える存在でも、45億6000万年前に地球が出来たときから見たら何一つ同じ状態で続いてるものなんてないのです。
わたしは今年45歳になるので、地球は約1億倍年上のパイセンです。
観測によると、宇宙は138億年前に誕生したとされています。
そうなると宇宙は約3億倍のパイセンです。
感覚なんてつかめないくらいの、途方も無い時間と空間がそこにあります。
人間なんてよく生きても100年そこそこ。
つまらない考えに囚われているうちに、アッという間に終わります。

過去を気にしてる時間も、今をつまらなくしている時間もないのです。

過去は過去、古い自分。
もうここにいない自分。
今に至っては、刻々と変化し続け、どんどん未来が押し寄せている状態。

その新鮮な波を受けて意気揚々と波乗りして行くように。
新たに来る別人の自分を楽しみたいなと思う近頃です。

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