Eri Koo Blog

元気があればなんでもできる学習帳

友だち百人いりますか?

友だち百人でっきるっかな♪

そんな歌を、小学校に入る前に習った記憶があります。
刷り込まれやすく、感化されやすいわたしは、それが「良いこと」であり「やるべきこと」なのだと素直に信じちゃいました。
小学生にもなっていない時期、たいていの子は「心の友」を見つけるのはこれから。
色んな子と出会って、一緒に遊んで、同じ教室で勉強したり、学校外でのスポーツやお稽古や塾なんかで一緒に何かを学んだり。
そうやって、少しづつ「なんかええなぁ」「おもろいなぁ」「楽しいなぁ」と思える相手を見つけて、小さな友情を育んでいくもの。

だから、友だち百人作る「勢い」で積極的に話しかけたりしてみよう!
ってのは確かに理にかなってるかもしれません。色んな人と接しないと誰といたら楽しいかわかりませんからね。

けどなぁ。
けどさぁ。

って大人になった今だから思うんです。

いやいや百人いらんやろ。

って。

そんな総当たり戦みたいなことしなくても、たまたま席が前後になったり横になった子と喋って仲良くなったり。家が隣だったり近所だったりで一緒に登校したり、お互いの家を行き来したりする中で仲良くなったり。
そんなゆるい感じで良くない?
人間関係って運命が運んでくるって面も多々あるくない?
と。

まぁそもそも、百人作ろう!なんて言葉を真に受けて実践する子は少ないでしょう。
実践するような子は最初から積極的だったり平気だったり、そんなこと言われなくてもやるような、それがしたい子かもしれません。
けど、中にはわたしのように真に受けてしまって「友だち百人作らんとあかんねや」「百人おる子が偉いんや」とまるで呪いをかけられたかのようになる人だって、少なからずいるのではと思うのです。

アメトーークでコミュニケーションモンスター(誰にでも気さくに話しかけれる人見知りしな人たち)と人見知り芸人の対比がありました。
それを見ていても、やっぱりどこかで「友だち多い人、人見知りしない人偉い」、「人見知りで友だち少ないコミュ障はダメ」みたいな価値観が一般的にもあるんだなと知りました。

もちろん、コミュニケーションモンスターはすごいと思います。
彼らのような人がいるから、彼らが人間関係を運んできてくれたりするから、人と人との出会いやコミュニケーションは回っているとさえ言えます。
けどそれは向いてる人、やりたい人がやればいいだけの話。
そんな全員がやんなくっていくない?
そしてそれは人の優劣ではなくて、単なる個性の違いじゃん?
と、やっと思えたのは大人になってから。

わたしは小学校ではひどいいじめを受けたし、中学校では同級生に喧嘩を売られ続け、教師からもセクハラにパワハラを受けるという、なかなかに残酷な思春期を過ごしました。
なのに不思議なことに、そんな中でも常に「一緒に遊ぶ子」はいるんですね。
当時はそれを友だちと呼んでいました。
そういった意味で、友だちが出来なくて困るといった経験は今に至るまであまりない。
ないのにも関わらず、どこかでコミュニケーションモンスターに対する憧れと、自分が劣っているような感覚が常にありました。
おもしろくて(大阪人の人間的ランクで最重要視ポイント)、明るくて誰にでも気さくで親切で。イケメンでサッカー出来て、みたいなイメージ(何故だか男子)。
そんな人になれない自分を、どこかで残念に思っていました。

いやいやそんなん、ならんでええがな。

って今なら思えるのですが、この幼少期からの刷り込みのような呪いが解けるのには本当に時間がかかりました。
昨日の記事でも「罪・穢れ」と祓っていくこと、浄化していくことの大切さを書きましたが、それはこういった「なんかしらんけど無意識に」染み込んでしまった、世間の常識や自分の思い込みというものも含まれると思います。

その延長で誰とでも仲良くしなきゃ、とも思ってました。
そうすることがエラいんだと。人として上なんだと。
それはもちろん間違ってもいないのですが、別に嫌いな人と無理に仲良くしなくてもいいじゃん。適切な距離を置けばいい。
そんな風に思えたのも、呪いが解けたのも、いろーーーんな人と出会って疲れきって、もうええわい!ってなったからかなって思います。
端的に言うと年取ったから、とも言えるかもしれません。

そんな他人のことより、自分を大事にしよ。
合わん人と一緒にいる時間はもうない。
それより、大事な人といる時間を大切にしよ。

そう思えたのは、何より、心の友と呼べる何人かの存在が大きいのだと思います。
本当は友だちと呼べる人なんて、ごく少数。

わたしの心の友の定義は、

わたしが何らかの犯罪に巻き込まれ、世間一般に犯罪者の汚名を着せられた時、世界中がわたしを犯罪者だと思っていても。
もしくは、どうしようもない状況で過ちを犯してしまったとしても。
その罪の真偽を問わず、助けてくれたり縁を切らないでいてくれる人。
またはその逆、わたしも相手をそう思える人。

よく、葬式で泣いてくれる人、なんて答える人もいますが。そんなの誰だって泣きます。よく知らない人であっても、亡くなるのは悲しいことだし、泣きます。
そこじゃない、と思うんです。

一対一で見てくれる人。
どんな状況でも友だちだと思える人、ですね。

そんな人がひとりでもいれば、もう十分。

そしてそんな友だちは、年を経てから、また新たに得る可能性が十二分にあります。

そんなわけで、友だち百人いらんわい、な話でした。
(あの歌に罪はありません)

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▼今日のおすすめ
ドラマ『glee/グリー』
高校での合唱部(日本と違ってMusicVideoのようなミュージカル的パフォーマンス)の話なのですが、学園ヒエラルキー話でもあります。チアやアメフトが上位だったり、オタクや根暗は下位だったりするけれど、ごっちゃになって喧嘩しながら一つのものを作ってく話。青春群像劇。 歌の素晴らしさに目が行きますが、ストーリーも巧みで深いです。全員が何らかの葛藤を抱え、合唱によって乗り越えていきます。

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読んでいただきありがとうございます☆祝福アレ♪

 

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