Eri Koo Blog

元気があればなんでもできる学習帳

不思議な話2 - 靖国と南の島と旧日本軍

ちょっと右翼思想にかぶれていた時期があったという話を前回しました。
その続きです。

そんな時、友だちとアジア圏の南の島へ遊びに行くことになりました。
突然決まって、突然行きました。
現地では楽しく過ごし、何ごともありませんでした。

日本に帰ってきて。
わたしは東京の靖国神社に行きました。
当時から神社巡りを真剣に行っていたのですが靖国神社は「別物」でした(個人的見解です)。
山や海や巨石など、自然の力が強い場所を畏怖と崇敬の念からお社を建てて奉るのがそもそも神社というものです。
けれど靖国神社は人間がその都合で建てたもの。
どちらかというとお寺に近いな、と思っていました。
けれど、第二次世界大戦について調べれば調べるほど。自分と同じように普通に生きていた人が戦争に行って亡くならなければならなかった事実を知るほど。安らかに眠って欲しいと手を合わせに行きたいという思いが強くなっていたのです。

靖国神社は思っていたより敷地も広く、立派な鳥居もあって荘厳でした。
全体的に「武(軍)」で設えてあるのでカッコいい様相です。
けれどやっぱり、一般的な神社と違って神さまや精霊や眷属の気配ではなく、人っぽい気配がうようよとあるような気がしました。
その時、境内にはほとんど人がいなかったのですが、なんか人の気配が多いのです。
お参りし、広い境内を巡りました。

その中に「遊就館」という建物がありました。
日本の歴史資料館です。西南戦争が終わる頃に設立計画が成された場所なので、明治維新から第二次世界大戦までの資料がてんこ盛りです。
ここに何時間いたのでしょうか。
午前中に来たはずなのに、ここを出る頃には夕方でした。
気がつけば、ほぼ半日を過ごしていたのです。
資料館は日本の歴史を知る上でも本当に面白かったです。
展示の仕方に多少の偏りはあるのかもしれませんが、資料は実際のものであり近代史の知識不足を十分に補ってくれるものでした。
何より、戦地に赴く若者が死を覚悟して家族に綴った手紙が大量に展示されているのは圧巻でした。
もしかしたら士官クラスなのかもしれませんが、みんな字がきれいで文章が美しいのです。日本の教育水準も、一市民の文化度も非常に高かったのだと思わせます。
こんなにすごい人たちが、とてもとても若くして、あっけなく、しかも大量に死んでいくのが戦争なのか、とずっと泣いていました。

戦争、ほんまにもう二度としたらあかん。

ただただ純粋にそう思いました。

そして。
なぜだか、すっぱりと。
靖国参拝の後、そういったものに興味を無くしてしまったのです。

もちろん日本の近代史は大事であるとか、政治や軍部が戦争時にどうふるまったかなど、そこから知ったことは今の糧になっています。
おかげで政治経済などを見る目がずいぶんと養われたようにも思います。
けど、貪るように本を読んだり動画を見たりすることはなくなりました。
前回ふれた、どハマりしていたテレビ番組も、ちょっと引いた目線で見るようになりました。

あの時期は、なんだったんだ?
まるで、憑き物が落ちたみたいに……。

と思っていたら、霊感があるという芸能人のこんな話を聞きました。

「多くの日本軍が戦士した南の島に行った時、たくさんの日本の兵士が自分の身体に寄ってくるのが見えました。
わたしはそれを『いくらでも来て!』と思って受け入れました。
そして、日本に帰ると、ふっと身体が軽くなりました。
彼らはわたしの身体に乗って、日本に帰ってくることができたようなんです。」

これやん………。
ほんでその南の島、完全に同じ場所やん………。

わたしはその南の島で日本兵の霊とかも見ていません。
普通にワーキャー楽しんでいただけです。
さらに言うと、右翼思想に偏りかけ日本軍の本や資料など読み漁っていたのに、そのことと、適当な旅行先として決めた南の島が激戦地だったことを、つなげて考えてもいませんでした。

けど、その芸能人の話を聞いた時にものすごくしっくりしたのです。
よくわからんうちに運び屋さんをしてたんかなって。
日本に帰りたかった軍人さんたちの霊を、靖国神社まで運べたのかなって。
そうだったらいいな、と思いました。
先に帰っていたお仲間さんや家族に霊として会えたりして、安らかに眠れるようになれてたらいいなって。

美輪明宏が、親密な中であった三島由紀夫についてこう語りました。

「最後の頃、自決する前くらいに彼には226事件の軍人が取り憑いていた」

そして、それは勝手に無関係に取り憑くものではなくって、似たような周波数だから寄ってくるんですね。
三島由紀夫もまた、素晴らしい作家であったと共に強烈なコンプレックスを抱える人でもありました。
その思いが、前回にお話した自分の自尊心と国家の尊厳を同一視するおじさん達と同じように、日本を憂いる気持ちにつながっていったのかもしれないと。

そして同じく、戦争のことや近代史を学ぶ内に右翼思想に傾いていたわたしとも、波長が合って、南の島でわたしの身体に乗ってきてくれたのかもしれません。
くれた、というのも変な話ですけれど。

次回の不思議な話でもお伝えしますが、無念を残して死んでしまうとあんまり良くないんだなって思います。
生きている人が何かしらの手助けが出来ればいいなと思います。

▼今日のおすすめ
映画『八甲田山』監督:森谷司郎
映画『二百三高地』もそうでしたが、この映画もまたバタバタと人が死んでいきます。しかも、無駄死にとも言えるようなその描写がずっと続きます。 苦行とも言えますが、映画として大事な何かがそこにあります。何故そんな無駄な死を大量に生むことになったのか?これは戦争全体に言える大きな問いかけです。二百三高地と共に、これを自分に問いかけるきっかけになる映画だと思います。自然と対峙した時の人間の小ささも無力感も感じさせてくれます。

読んでいただきありがとうございます☆祝福アレ♪

 

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