HSP/HSSについての考察 29 - 解放されたHSPの問題点

HSP/HSSシリーズ、続き。

さてさて。
若いうちであろうと、大人になってさらに年を重ねてからであろうと。
抑圧、もしくは周囲のニーズに縛られていたHSPが解放された時に起こること。

衝動性、好奇心、強い独立心、高いエネルギー、内向性、直感力、妥協のなさ。

が上げられるとアーロン博士は言います。
これらは素晴らしいことなのですが、一方で問題もあります。

・（周囲に）独創性が理解されない

あまりにも突き抜けてしまうと、理解者を得るのは至難の業です。未知のものを理解する人は人口の数パーセント。それが近い場所にいてくれるとは限りません。結果、理解されない孤独感がつのります。

・夢中になって、やり散らかす

調子のいいときのHSPは次々に何百というアイデアが浮かびます。しかし人間には物理的限界があるので、そのアイデアを何個かに絞ることが鍵となります。

・感情的敏感さ

自分を発揮すればするほどに頭は冴えていきます。感情もまた同じく研ぎ澄まされて敏感になるので、自分の感情の起伏に振り回されがちになります。

・周りの人に見えないものが見える

ぱっと見て人の様子や周囲の状況を読んでしまう、見えてしまうHSP。大量の情報を受け取ってしまう身体性を持つことは、人とは違う視野で物事を見るということ。結果、見ている世界が他人と違うので、これもまた孤独を感じる要因となります。

・カリスマ性

人の機微を察し、ある一定の人々を惹きつけてしまう人もいるでしょう。そして、その人たちが求めることが如実にわかってしまうので、それらを全部してあげてしまう。その内に、相手は何も自分で考えず行動しなくなります。無意識に相手の自由を奪うとも、依存させてしまうのだとも言えます。

これらを回避するには？行き過ぎによるダメージを緩和させるには？
方法は二つ。

一つ目。
それは、読んでるうちに気づいた人もいるかと思いますがHSPのキーワードは「孤独」です。
自分は独特で、人と違った目で世界を見ていること。
そのため、孤独であること。
それを受け入れなければ、理解してもらいたい気持ちが膨れ上がったり、一人の人へのすべてをわかってもらおうとしてしまいます。
どだいそんなことは無理なので、余計に孤独感と焦燥感がつのってしまうのです。

なので、孤独であることを受け入れることが肝心です。

これは一生一人で生きていくとか、一人きりで仕事していくとか、そういう話ではありません。
愛する人がいて、信頼できる友人や仕事仲間がいて、家族がいて。
その中で、人と人は完全に違う人であること。
すべてを理解してもらうことは不可能であること。
そういうことを、腑に落として実感して、孤独を愛して受け入れることを指します。

HSPなら、自分が夢中になれること、自分がしあわせになる時間がどんなものかわかっていると思います。
料理をしているとき、泳いでいるとき、服を選んでいるとき、気持ちのいいシーツに寝転んでいるとき。
その時の至福を、誰にわかってもらう必要もない自分だけのしあわせだと抱きしめて、尊いものとして愛せたら。
人は孤独であっても強くあれるものだと知ることができます。
それが実感できると、逆に。
悲しいことやつらいこと。そして、怒りであっても。
自分の中に起こるそれらの感情をもまた、自分だけの貴重な体験なのだと大事にすることができるようになります。

そうすると、心が安定します。
誰かにわかってほしい、理解して欲しい。
そんな飢餓感のような、孤独への恐怖はいつの間にか消えてなくなります。

これらはとても時間がかかります。
いずれも、自分の心をよくよく観察して見つめることがその唯一の手法です。

二つ目は、仕事とプライベートのバランスです。
仕事だけに才能を使わないこと。
人間的結びつきを仕事仲間だけに求めないこと。
仕事以外での人間関係も大事にすること。

そう、HSPのたいていはワーカホリック。
夢中になりやすく自分の好きなことが明確であることが多いので、仕事に没頭しやすいんですね。
なので、HSPの良さが解放されて行き過ぎてしまうことによって起こる問題を回避するには、仕事とプライベートを分けることが重要になってきます。
なるべく、仕事仲間以外とも遊びましょ。
そんな感じです。

今回のHSP/HSSシリーズ、もう少し続きます。

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