Eri Koo Blog

健やかに祝福を

蝶々の話

自分にとって良き場所には、たいてい、蝶々が飛んでいる。

まだ今の年齢の半分くらいだった頃、遠出した大きな大きな神社。
境内にはたくさんの摂社や末社(ほとんどの神社は大メインに祀られてる神さまの社殿の他にも、たくさんの神さまが祀られている)があって。
メイン社殿の後ろに、その旅で一番惹かれた摂社があって。
お参りしようかどうしようかと、ぼーっとしていたら。

そこへ続く階段の一歩目に、ふっと青い羽根の蝶がとまって。
まるで、一歩そこへ足を運べと言われているようで。
いざなわれるように一歩進むと、また次の段へと飛び移って。
そうして、摂社の境内へと一緒に踏み入れると、ふわりと舞って奥の森へと消えていった。

そこからなんだか、蝶々を意識するようになったと思う。

蝶は、あの世の魂がこちらに来るときにその化身として現れると聞いたことがある。
ほんとにそうかはわからない。

けれど、ひらひらと、人間とは全く違うリズムで舞い、まるで職人が一生分の技術をかけて織り込んだような複雑な模様と、艶めく豊かな色彩は。
やっぱり不思議と、この世ならざるものを空想させる。
それが、自分のからだの周りに伴うように遊んでいるのを見ると、なにかを伝えたいのかなと考えるのは自然なことのように感じる。

街に住む友だちが、ここ数年で蝶々や蜂が激減した、と話していた。
もう随分と前から、世界から蜂が消えたと話題にもなっている。
わたしは郊外のベッドタウン住みだから、まだよく実感としてはわからない。
でも。
子どもの頃は、大きな蜘蛛も、蛇も、天井裏を歩くいたちやねずみの足音も、野良犬も、まだまだたくさん家や近所で見かけた。
蜂も軒先に巣をたくさんつくっていた。
でも、一軒家からマンションに移ったせいもあるけれど、もう見ない。

死者が、子孫に、あるいは愛する人に何か伝えようと思っても。
それを運ぶ蝶々がこの世に存在しなくなる。
なんてことはあるのだろうか。

それでも未来を悲観視することがまるでできなくて。
どうがんばっても、いろんな情報を見ても、つらいニュースに憤っても、やっぱりこの世は良き方向へ進んでいるとしか思えない。
それは、理由とか説明なんてできない「なんか大丈夫な気がする」という、ばかみたいな感覚でしかないのだけど。

そろそろと秋も深まってきて。
夜なんて、外のベンチでおしゃべりしてたらすっかり寒くって。
蝶々とも、またしばしのお別れ。

f:id:kuhmai:20200922130648j:image

読んでいただきありがとうございます☆祝福アレ♪

 

・小説発売中

りゅうとむすめ

りゅうとむすめ

 

Eri Koo(エリ・クゥ)
Website
https://erikoo.themedia.jp/
【LINEでBlog更新を通知します♪】
※登録者情報はわたしに知らされませんので、 お気軽にどうぞ!

友だち追加

お問い合わせはこちらのフォームからどうぞ
[eri koo] - CONTACT

--- オリジナル小説発売中 ---

りゅうとむすめ

りゅうとむすめ

  • 作者:Eri Koo
  • 発売日: 2020/04/04
  • メディア: Kindle版