Eri Koo Blog

元気があればなんでもできる学習帳

かみごと(神事)にたずさわるということ8 – 悪魔の誘いと猪木と馬場と

ちょっと話が飛ぶし、若い人にはチンプンカンプンだろうけど。

ギフテッドとサバイバーは、プロレスラーの猪木と馬場で言うとわかりやすい。
馬場は体格にも環境にも恵まれ、プロ野球入りし、そこから力道山に引き抜かれてプロレスラーとなった。最初からエースであり、鳴り物入りで海外遠征し、その後もずっと王道を歩み続け、プロレスの衰退を見ることもなく死ぬまでスターのままだった。
猪木はブラジル移民で、地獄のような植民地の奴隷労働から日本に帰国し、プロレス界入りした。才能があったので馬場と同じくエース扱いだったけれど、馬場との扱いは雲泥の差で何かにつけて差別され叩かれた。ともかく、常に抑圧されていた環境にいたけれど、その度に乗り越えて立ち上がり、反骨のスターとなった。
そこから生まれた言葉が「元気があれば何でもできる」だ。
大衆はどちらをも好む。
より、自分に近い方、もしくは憧れる方を。
馬場は完全に陽だし、往年の猪木しか知らない人はピンとこないかもしれないけれど、彼は完全に陰だった。
二人で、バランスをとっていた。
この図式は陰陽図のように完璧で、力道山と二人が織り成したエンターテイメントで、どこまで意図通りなのかわからないけど、すごいと思う。

話を戻します。

かみごとにたずさわる資質とは、どこか一部分が「透明」であること。
その透明な部分が、かみや精霊や、あるいは悪魔のような見えない存在をキャッチする「座」となり「道」となる。
それはアスリートだったり、研究者だったり、営業職だったり、料理人だったりするのと同じで、一つの資質。持って生まれた得意技。

けれど、気をつけないと、たちの悪いものに居座られることも起きる。
たちの悪いものの見分け方は、「欲」を満足させる具体性がある事象を起こしてくれること。
お金が入ってくる、モテる、嫌いな相手が不幸になる、など。
狐狗狸(こっくり)という言葉があるけど、まさにそういう存在は、人間の欲に直結したところを刺激してくる。
願いを叶えてくれるし、未来も予言してくれる神さまだと思っていたら、そういう存在だったというのはよくある話。
言葉が降りてきたり、具体的な時はちょっと気をつけた方がいい。
欲につながっていないか。
その言葉や、叶った願いは私利私欲な実利を伴っていないか。
自分に関係のない、誰かを喜ばせるような、あるいは自分が喜んでそこから他者や社会へ波及するようなものは大丈夫だけれど。

狐狗狸ならまだ良い。けど、もっと大きくて巧妙で本当に悪魔という存在もこの世にはあるらしい。
わたしがそれを見ることは、きっと一生ないだろう。
それは、世界を一変させるような力を持つ人間のところへやってくる。
才気がありエネルギーがあり、そして誰よりも強大な欲を持つ者のところへやってくる。
それは、生命と、その先の永い永い未来世へ強い因果を残すことを引き換え条件に、その欲を叶えてくれる。
ピンとくるような歴史上の人物はいないだろうか。
その人たちは世界を変え、名を残し、そして恐ろしく称賛され、憎まれ、短命に去っていった。

そんな悪しきものの見分け方も大事だけど、結局それは自分の心の状態に吸い寄せられてくる。
だから、自分の心を見つめることが大事。
後に仏陀となる修行時代のゴータマシッダールタは、その修業の過程で多くの魔物に誘われる。
彼は王国の王子であり、何不自由なく育った。
けれど、貧富の差を見て、何故そういうものが世の中にはあるのだろうと思い、家族を捨てて城を出て旅に出た。
その中で、自分の闇をようやく見ることになり、それに伴って悪魔が現れる。
仏教は、仏陀という神を崇め奉る宗教ではない。
一人の人間、ゴータマシッダールタが悟りを開いた状態=仏陀になった、その行程を示してくれている実践宗教だ。
仏陀は神ではなくて、人間の状態を言う。
だから、その過程は誰にでも起こりうること。

このお話は次で最後です。

 

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小説『お父さんのバックドロップ』 作者:中島らも
大阪の下町の人情味あふれる良い話で、プロレスって八百長がどうとかじゃなく、良質で泥臭いエンターテイメントなんだとわかる、ほんとうに良作。宇梶剛士が演じる映画も、生活描写にじゃりン子チエ感があって、すごく良かったです。
(かみごとの話と遠いようですが) 

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読んでいただきありがとうございます☆祝福アレ♪

 

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