Eri Koo Blog

元気があればなんでもできる学習帳

親孝行なんてしなくていい

親孝行は、しなくて良いと思う。

普通に、ちゃんとした愛情があって、ちゃんとした育てられ方をした人には一生わからない。
わかる必要だってない。
いわゆる毒親と言われる「親」を持った人、機能不全家庭に生まれた人にしかわからない。

一緒にいるだけで毒にしかならないその存在が、ある程度の年齢までは逃げようのない存在として、子どもにとっては全世界として君臨してしまう「親」として、生まれてしまった者の。
「親孝行しなければならない」「親は愛すべきもの」という呪縛の耐え難さは、そう生まれ育った者にしかわからない。

だから、ずっと、声を大にして。
似たような人にだけ向けて。

親孝行なんてしなくて良い、と言ってあげたい。

「親が可愛そう」「親孝行は子の努め」「親を喜ばせてあげないと」
そんな事を言うのは、自分とは「違う」家庭に育った違う価値観の人々だから。
全部、かなぐり捨てて、無視していい。

その呪縛から解けた時、どんなにも身が軽くなったか。
「親孝行しないって決めたんだ」と、同じような状況下で育った人が言うのを、同志を見つけたような気持ちでどんなに励みになったか。

そして、そう決めてからウン十年と経って。

こないだ、その親を旅行に連れて行き、誕生日に花を送った。
完全に親孝行をした。
大好きな人を喜ばせたい、とかそういう気持ちは1ミリもない。
ただ、やるべき事を行ったという達成感は残った。
完全に仕事として。
人生の仕事として、淡々と遂行した。

なぜそうしたかと言うと、やっぱりそれが自分の今世での課題だと知ったからだ。
やらないといけないこと。
やらないと、次にいけない課題。仕事。
親への愛情がゼロだとは言わないけど、本当に仕事モードだった。
いろいろな面でややこしく拗れた親の、機嫌を損なわないよう、楽しくいられるよう、旅行の添乗員に徹して、自分の楽しみに来たのではないと戒めて。
親は、喜んでいた。
それを見ても、良かったなぁうれしいなぁ、なんて、心は特には動かない。
添乗員さんが、お客さんが満足そうに喜んでるのを見て、感動したり良かったなぁ良かったなぁと涙したりしないように。
やったことが成功を収めたという、自分への満足感だけがある。

お花は、いつも惜しげもなくゴージャスに美しく、どこかポップ。そして心に花を咲かせるようなパワーのあるアレンジをしてくれる、お友達のお花屋さんに頼んだ。
旅は、これもまたパワーもらえる大好きな場所にした。
どちらも、この任務に当たって自分を助けてくれる力をくれるものを選んだ。
そうじゃないと出来なかった。感謝に尽きる。

親孝行しないと決めたウン十年前には絶対に出来なかった。
1年前でも無理だった。
やろうとも思ってなかった。

突然、できる気がしたのだ。
長い時間をかけて、あくまでも当社比だし、ごく僅かではあるけれど成長して大人になれたのだと思う。
そして、なにはともあれ心身ともに健康であり、好きな人達に囲まれ、経済も安定して、ようやっと「余裕」が生まれたのだと思う。

結果は感覚でしかない。
誰も褒めてくれるわけでもない。
けど、なんか、ちゃんとやり遂げたね、えらいね、と声が聞こえる気がする。
よくやった、自分、とも思う。

それでも。
ようやっと、そう出来たけど。
それでも。

似たような人にも。
自分よりもっともっと悲惨な家庭に育った人にも。
親孝行なんてしなくていい、と言い続けたい。

そういう人は親孝行なんかより、自分孝行に人生の時間を費やすべきだ。
親ではなくて、自分を大事にしてくれる人、自分が心から大事にしたい人に愛情を注げば良い。

親にもらえなかったまともな愛情を、自分から自分へ、他人からも受け取って、どんどん自分を満たすことを最優先すべきだ。

そうした先に、何十年と経って、わたしみたいに親孝行的な行為が出来るようになるかもしれない。
でも、ならなくても全然いい。
わたしが出来たのはたまたまだ。
親だから当然、先に死んでしまうかもしれない。
けど、そんな時にも後悔なんてしなくていいと、わたしは思う。

傷だらけの体で、その傷をつけられた相手に、さらに何かをあげようとしなくていい。
まずは、その傷を癒やし、治し。
そこからしか、親と子でなくとも、まともな関係は築けないから。

年末となりお正月が近づくと「家族」がフューチャーされるので。
肉親がいない人、まともな家族がいない人は、さみしい思いを抱えがちになるけど。
なるべくそんな社会の風には背を向けて。
自分が楽しいと思える好きな人や好きな事、美味しいものにフォーカスして。
自分を満たすことをどんどん惜しみなくやると、なかなか良い時間が過ごせるのではないかな、と思います。

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読んでいただきありがとうございます☆祝福アレ♪

 

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