Eri Koo Blog

元気があればなんでもできる学習帳

不易流行 - いのち短し旅せよ乙女、あるいは少年よ、書を捨てよ旅へ出よう

「不易流行」という言葉がある。
広辞苑をひくと。

(芭蕉俳諧用語)不易は詩の基本である永遠性。流行はその時々の新風の体。共に風雅の誠から出るものであるから、根元においては一つであるという

と、書いてある。
「不易」は永遠に変わらないもの。
「流行」は変わるもの・新しいもの。
どちらも大事、それぞれは相反するものではなく同じものなのだということ。

これはきっと、俳句についてだけの言葉ではない。

最初、禅語なのかと思ったくらいに「仏の道」のよう。
あるいは、キリスト教で言えば「主」、今風に言うならワンネス、量子物理学で言うなら絶対の観測者。その「不易」性。
それと。
人間がごく一般的に感じている現実というもの、変わらないものなどない、諸行無常、あるいは万物流転の「流行」性。
まるで、この世の理を現しているみたい。
色即是空空即是色と同じ。
空が「不易」、色が「流行」と言ってもいい。きっと。

松尾芭蕉は伊賀出身で、元忍者とささやかれるほど、奥の細道の行程が超人的だとか言われている。
その真偽はともかく。
とても実務的に有能な人であり、言葉遊びに落ちて停滞していた俳諧に革命を起こした言葉のアーティストでもある。
そんな人が長年に渡って俳句に取り組んだ先、「奥の細道」という隠密ミッション旅行の中で、自分の俳句を慣習的な創作法からどんどん逸脱させ、無駄を削ぎ落とし、ユーモアと軽さの中に深淵を覗くような境地を確立していった。

その境地で出た言葉が「不易流行」。

目を瞑ると。
自分の中に(あるいは外に)、不動のなにかがある。
まるでそこは、静かで深い湖。
それは自分だけの、ではなく、この世のありとあらゆるものがそれそのもの。
それは、絶対の「愛」、絶対の「永遠」、絶対の「神」、と言われるもの。

目を開けると。
そこには絶えず変化し続ける世界が広がる。
まるで不動に見える机だってコップだって、これを読んでるスマホだってPCだって1000年後には朽ち果てて、存在しない。
一秒一秒劣化し、一秒一秒死へと進む。
人間は、この瞬間にも身体に血を巡らせ、空気を吸って吐いて、文章を読みながらシナプスでシグナル伝達を続けている。
常に、動いている。

このふたつ。
ふたつがセット。
セットと言うより、ふたつはひとつ。
空は色、色は空。
「不易流行」。

芭蕉が自分の俳句を研ぎ澄まし新たな境地に至ったのも、まるで聖人が覚醒したかのような言葉を発したのも、やっぱり「奥の細道」の旅が大きかったらしい。
インスピレーション、新しいアイデア、悩みの答え。
そういったものは、ふとした拍子に内側からわきあがる(降ってくると表現する人もいる)。
そしてそれは、動いているとき、いつもは行かない場所に訪れたときに偶発的に起こる。
たまたま行った場所、たまたま会った人、たまたま見かけたもの、たまたま見かけた本。そこからなにかが展開していく。

こんなご時世だから、出かけるのはどうかと思う人もいるだろうし、そう思う人はそうしたらいいと思う。
でも、日本だとほんの近くに海も山も川も広がっていて、見渡す限り、だっれもいない場所がたーんと、ある。
この季節の日本は最高なのである。
緑がもう、緑緑緑!
ものすごい種類の緑色。
海がキラッキラ、川もサラサラと流れて。
空は青くて。

新緑の空気を目ぇいっぱい吸い込んで、行ったことのない場所に行く。

よほどのインドア・ラバーで、延々と家にいても病まないタイプ、るんるんの気持ちでいれる人でない限り。
心身の健康のためにも、そういった明るい発想のためにも、よき仕事をするためにも、あるいはこの世の理に覚醒するためにも?
外にでること、旅をすることって、すっごく大事だと思う今日このごろです。

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LOVE LETTER  

満月の今日は、朧月夜です。
まるで泣きそうなくらいに震えてる、そんな月。
感情が限界まできちゃってる人みたいなおももち。
どうしたんでしょう。
昴る感情は吐き出す・表現する。
ともかく外へ発散する。
泣く、喚く、歌う、踊る、書く、作る、話す、歩く、走る。
もしくは。
瞑想ができる方は、それをただただ観察する。
そんな風に向き合うのがよい日なようです。

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読んでいただきありがとうございます☆祝福アレ♪

 

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