Eri Koo Blog

元気があればなんでもできる学習帳

堂々と生きる

仏教の教えに「堂々と生きよ」があります。
堂々と生きるって、なんだか結構難しいことのように思えます。
でも、こんな話を聞くとどうでしょうか。

こんにちは。
Eri Koo(エリ・クゥ)です。

2022年の今に自分が存在するには、まず父と母がいて。その父と母にも同じく父と母がいて……と、そんな風ご先祖様をどんどん遡っていくと、40代前には(750年頃) 10兆以上のご先祖様が存在したことになるそうです。
10兆以上と言われても想像つかないし、なんなら10兆以上の生命体がいたと思うとちょっと気持ち悪いくらいです。さらに言うなら人類が発生してから500万年です。ヤバい数字になるのはわかりますよね。
それくらい、宇宙の星々のようにものすごい数の生命が、自分に連なっているのです。
さらに。
当たり前の話になりますが、その数多の人間が次に生命を残すまで1人として死ななかった、ということなのですよね。
信じられないくらいの人数の全員が、子を成すまで生き残った。

そのことがどんなにも奇跡か。

誰かの死に触れたことのない人などいません。
祖父や祖母、あるいは大好きな芸能人やアーティスト。その死が突然であれ自然な老衰であれ、死は誰にも等しく訪れます。だから、生きているということそのものが本当に奇跡なのです。
この事には普段、無視をして生きています。
当然です。そんなことばっかり考えて生きていたら、頭がおかしくなってしまいます。
それでも、人の死は不意をついて訪れます。

仏法説話に、こんなものがあります。
ある時お釈迦様が歩いていると、子供を亡くして嘆き悲しんでいる女の人が言いました。
「どなたか、この子を生き返らせてください」
お釈迦様は言いました。
「私がその子を生き返らせてあげましょう。そのために、あなたは『人が死んだことなのない家』を探してください」
女の人は「わかりました」と言って、人が死んだことのない家を探しました。
しかし、そんな家など存在しませんでした。
そして女の人は、お釈迦様のもとに戻りました。
「人が死んだことのない家などありませんでした」
お釈迦様は言いました。
「人は誰もが死ぬ。あなたは生きていたその子を愛した。そして、死んでしまったその子を愛する。それで、よいのです」
そうして、女の人は我が子の死を受け入れました。

わたしの友人が亡くなったときの話です。
お葬式前に、その顔を拝みに行きました。
まるで、本当にただ眠っているだけのような、そんな顔でした。
きれいでした。
友人は、亡くなる直前まで次のやりたいことの予定を組んでいました。死ぬなんて、まるで予定してなかったようでした。
わたしは、なんていい生き様なんだ、と思いました。
最後の最後まで、まだまだやりたいことがあって次の予定を楽しみにして、生き生きとして過ごして、最後の時を迎えたのです。

もちろん、もっともっとたくさん生きて、もっともっとたくさんやりたいことをやって欲しかった。
そして、また会って、遊んで、もっともっと話したかった。
深い話ができる人でした。
たくさんの人生経験があり、明るく楽しく、頭が良くて。いろんなことを感じ考え、自分の言葉で話してくれる人でした。
友人がその時々で思ったことや、感じていたことをもう二度と聞けなくなるのは本当に悲しくて寂しい。とても痛くて、辛い。

それでも。
その気持ちとは別で。
本当に素晴らしい人生だったな、と思うのです。

「堂々と生きよ」
その友人を思うたび、その言葉が浮かびます。
友人だって、悩んだり悲しんだり落ち込んだり、病気に絶望したこともたくさんたくさんあったでしょう。
それでも、いつも明るく前を見て、堂々と生きていたこと。
そのことに、とても救われます。
その人が、その人そのものの人生を生きたこと。
その生き方と、最後の穏やかな顔を見れたことが、100の言葉よりとても大きなことを伝えてくれました。
わたしもそうありたい、と。

堂々と生きる。
それは、自分自身を生ききること。
次の瞬間、あっけなく死ぬかもしれない。
そんな可能性の中で、今、生きていること。
自分につながる、途方もない数の人たちが生き抜いたこと。
そんなものすごい奇跡の中で生まれて、今、死んでいないこと。
その命に誇りを持って、堂々と受け止めて。
せっかくそんな奇跡を受け継いだのだから、自分自身が喜ぶ本当にやりたいことをやる。
人生は短く、人は不完全だからすべてを完璧にやり切れることなんてない。
でも、やろうとして生きていれば。
自然と。
堂々と誇らしく、最後まで生きていけるのかもしれません。
その、友人のように。

読んでいただきありがとうございます☆祝福アレ♪

 

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