Eri Koo Blog

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HSP/HSSについての考察 31 - 転移・依存・逃避を抜けて孤独を愛す

「今回の」HSP/HSSシリーズは今日でラストです。

さてさて。
今回の最後にHSPのスピリチュアルな問題を上げたいのですがその前に。
HSP以外でも敏感すぎる人たちがいます。

・シソイドパーソナリティ

敏感で繊細だけど、あまり人に興味がなく、わいわい他人と群れて一緒に楽しむことを好まない傾向がある気質。
周囲に対して、やや被害的に敏感で猜疑的になってしまう人もいるとか。
HSPと比較するとわかりやすいのですが、HSPは敏感で繊細だけど、人に興味がとてもある気質。

発達障害

五感がとても発達していて非常に敏感。
けれどHSPとは違って「Depth of processing:処理の速さ」や「Emotional reactivity and high Empathy:感情的反応性、高度共感性」は少ない。なので、物事の背後や前後関係を読み取ってお世辞や社交辞令を見抜いたり、相手の気持ちに寄り添ったり共感することはできません。
言葉の裏を取るのは難しく、自分の見ている世界しか見えません。

先にこの二つを挙げたのは、スピリチュアルな問題にからめとられやすいHSPの注意点を書くためです。
シソイドである場合、そもそも人に関心がないので変なところに足を突っ込まない可能性が高いんですね。無駄な交流を避けるので。
逆に発達障害はとても騙されやすいとも言えます。五感は発達していても、人の気持ちや、他人にはそれぞれ独自の世界があるという想像力がないと、言われたままを疑うことなく受け取ってしまうからです。

じゃあHSPは人の気持ちも読めるし言葉の裏もわかるし、騙されたりとかないじゃん?大丈夫じゃん?となるんですが。けれどもHSPもまた、結構危ういのです。
特に、環境に恵まれなかったHSPは自己肯定感や自尊心が低い。そこから成長と共に経験して学んで、自分と言う軸を打ち立てて解放されるまでの間。
ゆらゆらと揺れる心が、何か強い存在に頼ろうとするのは当たり前の流れです。

そこから「転移」が起こりやすいのです。
「転移」とは心理学用語なのですが、クライアント(相談者)が過去に生じた親や恋人・伴侶への感情を、カウンセラー(治療者)に向けてしまうことを言います。
信頼できるカウンセラーに自分の悩みを聞いてもらっているうちに、徐々に解放されていくうちに、相手が親のように、恋人のように思えてきてしまうこと。
(カウンセラーがクライアントにそれを向けてしまう「逆転移」もあります)
そうなると依存が立ち起こってしまうのですね。
真摯なカウンセラー(ユング派心理士など)はその「転移」を知っていますから、それが起きないよう、起きても対処できるようにしています。
ですが、そうでないカウンセラーやオリジナルなセラピーではどうでしょう?
転移が起こり、依存させることは結局自分のところの常連客を作ることになります。
儲けようと思えば依存させるのがいいのです。
こわー。
わたしも巷の独特なセラピーもさんざん受けてきたし、その恩恵も受けてきました。なので個人で営んでいるそれらの人を批判したいわけではありません。
ただ、治療やカウンセリング、セラピーの最後に「卒業」を目指さないところにはご用心なのです。場合によっては一回こっきりで「治る」ことだってあります。そこをうたわない場所は信用できないと思います。

同じく、今回のシリーズで言及してる宗教、カルトなのですが。
あなたがハマっているその人は、そのカリスマと呼ばれてる人は本当に人格者なのでしょうか?裏では何をしているでしょうか?
カルトはあなたのすべてを捨てさせます。自己も自我も財産も。
確かにこの世は「空(くぅ)」で、自分というものはないのだと仏陀は説きます。
けれどそれは全員が、すべての物質がそうなのであってですね。
あなたの自我や財産を吸収して、なんなら資産運用して増やして、私利私欲に使ってるそのことは、どう説明するのでしょうか?
HSPならきっと、うっすら気づいているでしょう。
それでも、自分の追っている傷があまりに痛くて、とりあえずの鎮静剤を飲むようにその団体にいることで痛みを緩和していることもあるでしょう。
けど、それって根本的治癒ではないし。
麻薬と同じで。
痛みを麻痺させているうちに、今度は中毒と言うさらなる病をも引き込んで。
気がついたら身ぐるみ剥がされて、病んだ身体だけが残される。
そんなことになりかねない。

じゃあ、と。
特定の団体やカウンセリングは依存しちゃって怖いからと。いろんな本を読み、各地のセミナーを渡り歩いて。
いつもスピリチュアルなことを考えていると。
前世や未来、守護霊やスピリットなど、別の存在にばかり気が向いて(逃避して)。
今度は他者と本気で付き合うことを避けるようになります。
自分の本当の気持ちや、身体を理解することと向き合うことから逃げるようになります。
結果、地に足のつかない、ゆるふわスピリチュアルな人となります。
これもまた、危険。

そして、これらの構造が反映されるのが恋人・パートナー。
転移、依存、地に足つかない逃避。すべてのことが二人の間で巻き起こります。ある意味一番の人生修行とも言えるでしょう。
恋愛すると分必される恋愛ホルモンPEA。それが減少する三か月目から、ちょっと冷静に相手のことを見れればいいですけどね(三か月間は存分に浮かれると良いと思います)。

結局は、現実との関りが一番大切なのです。
カウンセリングを受けるのも、宗教を学ぶのも、スピリチュアルな知識を得ることも。
それを実生活で活かして、試して、実践していくためにするものです。
その中で失敗して成功して、三歩進んで二歩下がって、七転び八起きして。
切磋琢磨していくしかありません。
それでも自分一人の経験や知見なんてたかが知れているから、先達の知識を学習して、ある程度のところまで引っ張って行ってもらう。
けれど、HSPであろうが他の気質持ちであろうが、ある一定のポイントから先は、自分一人で切り開いていくしかありません。
あなたの道はあなたしか歩けない。
それが、孤独というもの。
自分しか歩けない、自分だけのオリジナルの道。

どうか、依存や逃避という穴に落ちませんように。
落ちても、すぐに抜け出して軽傷でありますように。

それには「知ること」が最も重要だと思っています

あなたの敏感さが、あなたと他の人との祝福となりますように

ーエレイン・アーロン

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HSP/HSSシリーズについて>
HSP/HSS」というのは、「敏感で感受性が強い(HSP)が、好奇心旺盛で刺激を求める(HSS)」という相反する気質を持つ人のこと。
HSPはHighly Sensitive Person、HSSはHigh Sensation Seekingの略。
その人達の割合は人口の約5%だそうです。
HSPという「名付け=認識」が広まった時、わたし自身がそうであったと気づき、それまでの生きづらさや疑問があらかた解明しました。けれど、相反する気質も持ってることに矛盾を感じて調べると、それがHSP/HSSでした。
人口比で少数派であるそれへの気づきを書き綴ることで、似たような人と情報シェア出来れば、さらにそういった気質を知らない人にも認知してもらえたら(特にHSPな子供を持つ親御さんへ)と思い、シリーズを続けています。

参考書籍:

 

読んでいただきありがとうございます☆祝福アレ♪

 

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