Eri Koo Blog

元気があればなんでもできる学習帳

「サピエンス全史」を読みました5 - われわれは騙され続けているのかもしれない

 

「サピエンス全史」感想文は今回で終わりです。

ハラリ氏は「誰もが神聖な内なる性質を持っている」という今日のスピリチュアル的思想はキリスト教の信念の生まれ変わりだと書きます。
この神聖な内なる性質、仏教の仏性とほとんど同じですよね。
さらに、ブッダの入滅後56億7千万年後(5億7600万年後とも)の未来にこの世界に弥勒菩薩が現われ悟りを開き、多くの人々を救済するとされています。
弥勒の世になればそれまでの行いによって救われる者には、ユートピアのような世界がもたらされるとした思想もあります。
キリスト教も天国に行けば何一つ苦しむことはないのだと説きます。
そのために善行しようと。

似てますよね。

仏教とキリスト教の相似性やつながりは数多くの文献や著作にあるように、元がほとんど同じという説が濃厚です。
でも、それが言いたいのではなくて。

前回の続きになりますが、資本主義は今日より明日のほうが富は増大している、という信頼という虚構を前提に進んできました。
借金や融資がなければ、ここまでの経済や科学発展はありません。
科学は、科学が進んだその先に何か儲けがあるから資本家がお金を出して、探求が進んできました。
(もちろん科学者達は、知的好奇心と内なる欲求にだけ従っていたのでしょうけれど)

けれど、そのお金もまた虚構で。
宗教も同じく虚構で。

明日は今日より良い日なのだと。
お金がたくさん手に入ってくるのだと。
善行してればパラダイスがやってくるのだと。
科学の進化は人間にしあわせをもたらすのだと。

騙され続けているのではないのか?

農耕によって備蓄が行われ、長期的な飢えに苦しまなくて良くなった、と思わされたところから、何か掛け違いが発生したのではないか?
その備蓄がお金に変わっていき、強欲を煽られ、奴隷のように労働時間が増えたこと。
人を生命として扱わない無関心にまでに心が発達したこと。
しあわせな生活とは何か、を忘れさせられているのではないか、と。

自分が信じている内なる神聖ささえも、それらを助長する宗教という虚構から洗脳されているのではないかと。

と、思った時、足元がゆらぎました。

資本主義や経済発展には懐疑的だったけれど。
科学の進歩や、人間の進化、そして人間にはかならず内なる神聖があると、信じてましたから。

けれど。
仏陀が説く、この世は色であり空であるというのは。
物理化学的な意味合いもあるけれど。
この、人間の脳が作り出した「虚構」世界をも、また指し示しているのだろうし。
(物理的にも精神的にも、世界のすべては同じもので出来ているらしいので)

なら、そうか。
と、言葉には出来ないけど、なんとなく腑に落として。

けれど確実に、この本を読む前と後では、世界の見方がガラリと変わって。
もちろんハラリ氏のように卓越した頭脳と俯瞰の目では見れないけれど。
当社比ではかなり、バージョンアップさせてもらえたようです。

本当の幸いとは何か。

また改めて考えていく、新しい目をもらえたように思うのです。

最後に、この本の言説の中で一番大好きな言葉。

「DNAの複製だけが生物の成功ではない」

この言葉は、あらゆる思想やセクシャリティや生き方、つまり多様性を肯定してくれる。
この言葉を、現代の頭脳・賢人とされる人から聞けた時、ほんと読んで良かったなと思ったのです。
ありがとう、救われました。
って。

読んでいただきありがとうございます☆祝福アレ♪

 

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